逆境、夢見る力で打破 飯南中で講演 書家の伊藤さん、「絆」と記す 三重・松阪
三重県松阪市飯南町粥見の市立飯南中学校(藤本伸一校長、88人)のPTA事業部(野呂貢一会長)は7日午後0時50分から、全校生徒を対象に職業観を養うキャリア教育講演会を開いた。書家でアーティストの伊藤潤一さん(37)=五反田町=と、元三重県ヘルプマークアンバサダーの田中麻莉絵さん(41)=四日市市=から、逆境を「将来の自分を夢見る力で乗り越えた」などの話を聞き前向きに生きることの大切さを学んだ。 さまざまな分野で活躍する社会人を招き、その人の生き方や考え方に触れて、主体的に進路を選択する力を育てようと開いている。 この日は伊藤さんが講演会のテーマの「絆」の字を墨書してスタート。伊藤さんと田中さんはそれぞれ、病を乗り越えて知った生きることの意味や仕事観、処世術などを話題にやりとりし「人との関わりの中で今の自分がある」 「やっておけばよかったことがたくさんある」「自分がやりたいことが見つかった時、いつでもそれに向かえる準備を今から整えておいた方がよい」などと話した。 伊藤さんは子供の頃、いじめに遭っていたと明かした上で「理想の大人像と将来の自分を夢みる力で乗り越えることができた」と述べ、将来の自分の姿を思い描くことの大切さを伝えた。さらに「自分が勝てるフィールドを探せば勝利できる」と続け「過去の成功に学ぶのではなく未来のものを自ら創るスタンスで活動することが鍵」などと語った。 元生徒会長の3年・野呂和貴君は「伊藤さんの『自分の勝てるところで活躍する』という言葉が印象に残りました。楽しそうに笑顔で話されこちらも笑顔になれました」、元副会長の同・中野伽南さんは「できないことも、やりたくないこともあるけれど、楽しいと思ってやったら楽しくなる。今しかできないことはたくさんあるので、いっぱいチャレンジして楽しい人生にしたい」とそれぞれ話し、「笑顔でいると心が温かくなります。きょうはとても充実した時間でした」と声をそろえた。