円は1ドル=149円台後半に小幅下落、韓国政情不安への警戒和らぐ
(ブルームバーグ): 4日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台後半に小幅下落。韓国の政情不安を受けたリスク回避の円買いが一服し、ドルが買い戻されている。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、韓国の戒厳令は一過性の材料だとし、収束の方向で落ち着いていると話す。その上で、強い米求人件数を受けてもドルはそれほど買われなかったことから、週末の「米雇用統計で12月の利下げを見極めたい向きが多い」とみる。
韓国の尹錫悦大統領は3日、緊急の国民向けテレビ演説を行い「非常戒厳」を宣布した。これを受けて韓国ウォンが急落。円は一時148円65銭と10月11日以来の高値を付けた。4日になると同氏は非常戒厳を解除すると表明した。
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、非常戒厳で朝鮮半島での軍事衝突が連想されて市場は反応したものの、武力衝突ではなかったためひとまず落ち着いたと指摘。ただ、チャート上でドルは上値を切り下げており、引き続きドル安方向に警戒したいと言う。
ソニーFGの森本氏は、日本銀行の利上げ織り込みが進んでいないことから円高が進む可能性があり、ドルの戻りは限定的とみる。「4日発表の米ADP雇用統計、米ISM非製造業総合景況指数が強い内容となっても151円を目指す動きにはなりにくい」との見方を示した。
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Hidenori Yamanaka