8強出そろった今年の夏、甲子園100周年に相応しい名カードばかり!ここまでのベストゲーム5試合を紹介!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.32』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 甲子園100周年を迎えた今大会もベスト8が出揃いました。 7日に開幕してから3回戦までの41試合、いずれも熱戦ばかりでしたが、その中で印象に残った5試合を取り上げていきたいと思います。 【トーナメント表】夏の甲子園 第11日目までの結果
① 大会3日目第1試合 新潟産大付(新潟)2-1花咲徳栄(埼玉)
初出場の新潟産大付が逆転勝利をあげました。2回に1点を先制されましたが、内外野の堅い守備で、花咲徳栄の長打性の打球やヒット性の打球を次々と防ぎました。攻撃でも俊足の打者が揃い、塁に出塁すれば盗塁を仕掛け、花咲徳栄バッテリーにプレッシャーを与えて続け、6回、7回に1点ずつあげて、逃げ切りました。 平野 翔太主将(3年)は試合後の取材で、「自分たちのチームにはプロ注目選手もいないですし、体も小さい選手ばかりです。でも守備、走塁とできることをしっかりとやっていけば、勝てることを証明できました」と語りました。 このチームを作り上げた吉野 公浩監督は亜細亜大出身で、卒業後は柏崎市役所の軟式で投手として天皇杯に3回出場。柏崎リトルシニアで14年間コーチ、監督を務め、2016年から同校の監督に就任しています。新基準バットが導入された今年は、軟式での経験が大きく生きたようです。 「プレーしていた時の軟式はまだ飛びにくい時代のボールでした。点が入らないので、0対0が当たり前の世界でした。新基準バットになって接戦が増えて、軟式を経験して良かったなと思うことがあります」 今、振り返れば、強豪校が立て続けに負ける今大会の幕開けとも言える試合でした。
② 大会8日目第1試合 智辯学園(奈良)2-1健大高崎(群馬)
智辯学園が健大高崎の春夏連覇を阻んだ一戦です。この試合は智辯学園のエース左腕・田近 楓雅投手(3年)が持ち味を発揮しました。1点を先制され、苦しい立ち上がり。しかし自身の適時打で同点に追いついてから、130キロ台の速球、打者の手元で大きく落ちるチェンジアップで強打の健大高崎打線を封じます リードする山崎 光留捕手(3年)は「新基準バットなので、深く守っていれば、抜けることはないと思いました。田近がタイムリーを打ってから変わりました」と話す好投でした。同点のまま9回表に突入、二死二塁から佐坂 悠登内野手(3年)の適時打で勝ち越しに成功し、田近投手が完投勝利をあげました。 試合後、健大高崎の箱山 遥人捕手(3年)は「日本一になれなかったけど、日本一の仲間に恵まれて、支えられて最高のキャプテン生活でした…」と涙ながらに語ってくれました。箱山選手のほかにもこの大会で153キロを計測した石垣 元気投手(2年)、大型遊撃手・田中 陽翔内野手(3年)などタレント揃いでした。重圧を感じながら戦っていたと思いますが、このチームを追いかけることができて楽しかったです。