凛として時雨を迎えたハンブレッダーズ『秋のグーパンまつりZ 2024』ファイナルレポート 「15歳の気持ちでアクション!を起こそうと思います」
ハンブレッダーズのステージは、冒頭からフルスロットルだった。ムツムロ アキラ(vo/g)、でらし(b)、木島(ds)、ukicaster(g)がステージ中央で目線を合わせた後、オーディエンスに向けて〈何処までも行けると思った夜だった/血と涙と汗が混じり合っていた〉と声を合わせて歌い上げる。1曲目は「銀河高速」。早くもフロアかシンガロングが発生し、ステージとの距離がグッと縮まる。「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました、ハンブレッダーズです」(ムツムロ)といういつもの挨拶から、「ヤバすぎるスピード」。気持ちよすぎるスピード感と切なすぎる青春の匂いで胸がいっぱいになる。 さらに〈はじめから自由だった僕ら!〉という大合唱が発生した「はじめから自由だった」、冴えない思春期に出会った音楽の輝きをそのまま歌にした「DAY DREAM BEAT」を続け、最初のMC。話題はもちろん、凛として時雨。 「すごかったな。マジでよかったな。良すぎた……最高だった」と声が上ずるムツムロ。 「高校1年のときに『Telecastic fake show』のビデオを見て。最初はわかんなかったんですけど、翌日も翌々日も聴いて、知らぬうちになくてはならない状態になってた」(ムツムロ)「ムツムロさんと初めて会ったとき、この人、TKさんモデルのギター弾いてたんですよ」(でらし)からはじまり、メンバーそれぞれが時雨との出会い、どれだけ好きかを話し合う。その姿はほとんど高校生だ。 「あ、でも、いまは俺らのライブなんで。最後まで楽しんでください」(ムツムロ)と気を取り直して(?)演奏されたのは、しなやかで軽快なグルーヴが印象的な「常識の範疇」。「各々のダンスでお願いします」(ムツムロ)という言葉に導かれた「DANCING IN THE ROOM」では、ソウル的なテイストを織り交ぜたアンサンブルを披露。8ビート主体のギターロックがハンブレッダーズの主軸ではあるが、その音楽性はじつに多彩。それを支えているのはもちろん、技術と個性を併せ持ったメンバーのプレイだ(この日は特にでらしのベースが冴えわたってました!)。 ここでムツムロが新曲「アクション!」について言及。絵を描こうとか音楽やろうと思っても、SNSとかでめっちゃ上手い人を見ると「だったらやらなくていいか」と思いがち。でも、没頭する時間は何物にも代えがたいよな、ということを曲にしました……という話をしたあと、「今日はマジで15歳の気持ちに戻ったんで。その気持ちでアクション!を起こそうと思います」と「Telecastic fake show」(凛として時雨)をカバー。必死に食らいつくような演奏にグッと来ていると、そのテンションを保ったまま新曲「アクション!」へ。さらに“なんのために生きてんだ?”という根源的なテーマに射抜かれた「⚡」(ビリビリ)。ここ最近のハンブレッダーズは、バンドをやること、音楽を続けることの本質をそのまま歌ってるんだなと改めて実感させられた。