凛として時雨を迎えたハンブレッダーズ『秋のグーパンまつりZ 2024』ファイナルレポート 「15歳の気持ちでアクション!を起こそうと思います」
ハンブレッダーズの対バンツアー『ハンブレッダーズ 秋のグーパンまつりZ 2024』の最終公演が、東京・Zepp Hanedaで開催された。対バン相手は、ハンブレッダーズの4人が高校時代から憧れていた、凛として時雨。フロアを埋め尽くしたオーディエンスの前で両バンドは、世代とスタイルを超え、ロックミュージックの醍醐味をダイレクトに見せつけた。 【全ての写真】ハンブレッダーズ『秋のグーパンまつりZ 2024』ファイナル公演(全13枚) ステージ奥に掲げられたバックドロップには、ハンブレッダーズと今回のツアーの対バン相手の名前がデザインされている。04 Limited Sazabys、UNISON SQUARE GARDEN、サンボマスター、マカロニえんぴつ、凛として時雨。現在の日本のロックシーンを代表する5組との共演は言うまでもなく、バンドにとって大きな刺激となったはず。最終公演で彼らは、そのことを自らの音と身体ではっきりと証明してみせた。 最初に登場したのは、凛として時雨。鋭利で煌びやかなギター、〈誰にも見せられないもの 頭の中溢れて〉というフレーズから始まり、凄まじい突破力を備えたバンドサウンド、起伏に富んだメロディラインが共鳴。ピエール中野(ds)が煽ると、オーディエンスは拳を突き上げて興奮を表現する。 さらにブルーの照明とまさにレーザービームのようなギター、美しき憂いを帯びたボーカルがぶつかり合う「laser beamer」、フィードバックを交えたギターサウンド、重厚な16ビートを軸にしたリズムアレンジ、TK(vo/g)、345(vo/b)のツインボーカルが炸裂した「DIE meets HARD」を放ち、フロアのテンションを力づくで引き上げていく。 前半のハイライトは、「a symmetry」だった。この曲が収録されたアルバム『still a Sigure virgin?』(2010年)は、ハンブレッダーズのメンバー(特にムツムロとuki)に大きな影響を与えた作品。この楽曲におけるダークかつエッジーな音像は、ハンブレッダーズのファンにも巨大なインパクトを与えたはずだ。 「凛として時雨です、はじめまして」(TK)からはじまったMCでは、ピエール中野が「グーパン祭り、楽しみにしてきました。一緒に“グーパン!”やりましょう!」とアピール。さらにTKが「僕らのうるさい音楽にドン引きしている感じもあるかもしれませんが、ハンブレッダーズのみなさん、呼んでいただてありがとうございます。こういう音楽を聴いた若い人たちから、ああいう真っ当な音楽が生まれることを間近で見てもらえると思います」と語り掛け、ライブは後半へ。 まずはアルバム『still a Sigure virgin?』から「I was music」。爆発的なダイナミズムのなかで独創的なフレーズが絡み合うシーンは、3ピースバンドの可能性を拡張し続けてきた凛として時雨の真骨頂だ。研ぎ澄まされたバンドグルーヴによってフロアが揺れた「DISCO FLIGHT」から今年リリースされた新曲「Trrrrrrrrrrrrrrrrrrrue Lies」と跳躍。そして初期の代表曲にして、最大級のアンセム「Telecastic fake show」へとつながる。2008年リリースの楽曲だが、その先鋭性と革新性は言うまでもなく、今もまったく色褪せていない。最後は「アレキシサイミアスペア」。凄まじい轟音、緻密に構築されたアンサンブル、ストーリー性と映像喚起力を備えたボーカルが互いを高め合うパフォーマンスは、まさに圧巻だった。