「自分がワクワクする方へ」東京でのキャリアを手放し、長野県小海町で新たな挑戦をする女性が「住むのはどこでもいい」と語る理由
仲間を集めて町のためにできることを増やしたい
―現在は育休中とのことですが、復帰後に取り組みたいことはありますか まずは、「憩うまちこうみ」事業を安定化させて独り立ちさせたいですね。今は地域おこし協力隊という国の制度を使っているからどうにか運営できているけれども、独立できるような枠組みをそろそろちゃんと作らないといけないと考えています。 あとは、外から来た人を受け入れるキャパシティが小さい点も町の課題のひとつです。泊まる場所にしても、町内の観光地や移動手段にしても、小海に住んでいる人の協力がないとわかりにくいんです。町の案内役が一人いるだけでも、訪れる人のハードルを下げられるはずなので、周りの人と協力しながら町外の人を案内するための拠点や仕組みを整備していけたらいいなぁと思っています。 町に人を呼び込むためのイベントの企画も積極的に進めていきたいです。これまで、東京で小海町の特産品を使って1日バーをやったり、松原湖畔で本を読むイベントを開催したりしました。今後も、小海町に住んでいる人間だからこそ知っている町の魅力をPRするイベントを企画したいですね。今はわたしの趣味の延長でやっているところも大きいですが、こちらもゆくゆくは事業化したいです。 ―やることがたくさんありますね 去年までは、やりたいことはたくさんあるのにマンパワー不足で動けないことが多かったのですが、今年は若い仲間が4,5人増えたので色々できそうな気がしています。 移住したときにSNSアカウントを作って、今まで定期的に小海町での暮らしを発信してきたんです。自惚れかもしれないけれど"若い女の子が町で楽しく暮らしている"っていう事実が、今年引っ越してきた人たちの移住の要因のひとつになったのではないかと思っていて。うまく連携しながら一緒にやっていけたらいいなと思っています。 ―小海町に限らず、地方移住を考えている読者にメッセージはありますか 3つあります。「ワクワクする方を選ぶ」「楽しくするのは自分」「迷うならやっちゃえ」です。 わたしも東京に残るか移住するかですごく悩みました。せっかくそれなりの大学を出て、それなりの企業に入ったのに、道を外れるのかと考えると怖かったです。けれども、純粋にどっちがワクワクするかを考えたときに、圧倒的に移住した自分を想像した時の方がワクワクしました。だから、選んだ先で何が起こるかはわからないけれど、「めちゃくちゃワクワクしているから多分大丈夫だ!」と思ってこっちを選んだんです。 実際に来てから思ったのは、楽しくするのは自分なんだってことです。人間関係も環境を整えるのも、何をしたから正解だとか、だれがいるから良いとかじゃなくて、全部自分で楽しくするぞというマインドでいれば、どこで何をやってもきっとうまくやっていけるんだろうなってすごく実感をしています。 そして、最近色々な人の話を聞いて思ったのですが、移住に限らず何かをすることに迷っている状態ということは、「ちょっとでもやりたい思いがあるから迷っている」と思うんです。やりたくなければ、そもそも迷わないじゃないですか?だから、迷っているならやっちゃえ!です。 ―最後に、小海町の魅力を教えてください 松原湖を気に入っています。何があるわけでもないですが、一人でぼーっとするのにベストな環境です。何もしないをしに来るのにおすすめの場所です。 小海町高原美術館でやっている「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展(開催期間:2024年10月6日まで)」もすごく良いので、ぜひ遊びに来てください。 あとは自然が近くにあるのでストレスフリーに暮らせるのと、ほどよく地域の人がウェッティーなのですぐ顔なじみになれて、一人で来ても誰かと来ても人の温かさを感じられると思います。わたしにとって第二のふるさとになったこの小海町のためにやりたいことはたくさんあるので、手伝ってくれる仲間も募集しています。 もしご興味がある方は、わたしが小海町での暮らしや主催するイベント情報などを投稿しているインスタグラムのアカウント(https://www.instagram.com/erikoumi/)をぜひ覗いてみてください。 【長野県小海町 「憩うまちこうみ」事業 浅田 恵理子さん】 新卒でマーケティングリサーチ会社に入社。顧客の課題をヒアリングし、企画提案するポジションで経験を積んだ後、知人からの紹介を受けて地域おこし協力隊として長野県小海町に移住。「私が私になれるまち」というコンセプトに共感したことから、現在はセラピー事業「憩うまちこうみ」の運営を行なっている。 (まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)
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