「自分がワクワクする方へ」東京でのキャリアを手放し、長野県小海町で新たな挑戦をする女性が「住むのはどこでもいい」と語る理由
移住は難しいことじゃない
―移住を決めたとき、ご家族やご友人の反応はいかがでしたか 昔から移住に強く興味があったわけでもなく、前職の仕事に大きな不満もなかったので、「なぜ?」と言われることが多かったです。もしかしたら今までのように気軽に会えなくなる不安もあったのかもしれませんね。 ただ、先ほども申し上げた通り、住む場所はそんなに重要じゃないと思っています。距離が離れても、会いたい友人には会っていますし、移住してきた実感もそんなにないです。単に自然がたくさんの場所に移ったぐらいの感覚かもしれません。だから、移住先で結婚を決めたときも、周りには相当驚かれましたが、わたしにとっては不思議ではありませんでした。 ―浅田さんが考える移住は、ほかの人が考える以上に気軽なものなのですね 移住前にはハードルの高さを感じていましたが、いざやってみると、全然大したことなかったです。長野県なので東京が近いというのもあるかもしれないけれど、今はスマホがあれば誰とでも気軽に連絡が取れますし、行ったら行ったで新しい友達もできます。仕事もどうにかなりました。 ―行けばどうにかなると考えられるのがすごいです 地域おこし協力隊として移住したのが良かったと思っています。全くコネがないところに一人で飛び込むのは怖いものですが、地域おこし協力隊の活動でスムーズにコミュニティに入っていけました。地域おこし協力隊で来ましたと言うと、地元の方々もよく来たねと歓迎してくれるんです。 ―東京に戻るご予定はあるのでしょうか 今のところないです。こちらに引っ越してきてすぐに「東京にはもう戻らないな」と感じて、そこからはどうしたらこの町で暮らしていきやすいかを考えるようになりました。移住先での結婚を選んだのも、田舎は町中が知り合いで弱音を吐き出せる場所があまりなく、素直に悩みを打ち明けられるパートナーの必要性を感じたからです。東京に戻る理由がなかったのもありますし、自然がすごく身近にあって、こっちの方がわたしにとっては豊かな暮らしができると思ったんです。 今でも「住むのはどこでもいい」という考えは変わっていなくて、小海は好きだけれども、住み続ける必要性も感じていません。むしろ一度移住を経験したことで、どこでも暮らしていける自信がつきました。来年はまったく違う場所、もしかしたら海外にいるかもしれません(笑)。 ―今後、住んでみたい場所はどこですか 夫の仕事や子育てもあるので、わたしの一存では決められない部分も大きいですが、瀬戸内の穏やかな海の感じが好きで愛媛や香川あたりに住みたいですね。あとみかんが好きだから、愛媛ならたくさんみかんを食べられるかな(笑)。移住の理由はそれぐらいでいい気がしています。