「モナコでの勢いを還元したい」。中国戦で2発の南野拓実、強靭なマインドで変貌を遂げた姿
代表通算得点は「23」に
2016年9月のUAE戦、2021年9月のオマーン戦と、過去2回のワールドカップ・アジア最終予選の初戦で立て続けに黒星発進を強いられてきた日本代表。「今回は同じミスを絶対に犯してはならない」という強い意識を持って、彼らは9月5日の中国戦に挑み、7-0という歴史的大勝を掴むことに成功した。 【画像】日本代表の中国戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介。5人が最高評価の7点。MOMは3点に関与した20番 序盤からグイグイと左サイドを突破し、推進力を前面に押し出した三笘薫(ブライトン)、先制点を挙げた遠藤航(リバプール)、多彩なポジション取りで攻撃をお膳立てした久保建英(レアル・ソシエダ)と、異彩を放つ選手が数多くいるなかで、特に目を引いたのが南野拓実(モナコ)の一挙手一投足である。 前半は左シャドーで三笘のスペースを消さないように絞り気味にステイ。要所で外に開いたり、右からのクロスに飛び込んだりと頭脳的なプレーを前面に押し出した。 「正直、今日は感覚でやってましたね。前半は特にうまい選手、ボールを持てる選手が多いから、自分はとにかく動き回って、スペースを作ったりっていうところを意識しました」と、本人も意図的に黒子の役割を担おうとしたという。 そして2点リードで迎えた後半。背番号8のフィニッシャーとしての能力が爆発する。最初の見せ場は52分。町田浩樹(ユニオンSG)からの縦パスをライン間で受けてタメを作り、大外の三笘に預けて一気にエリア内へ侵入。ボックス内でリターンをもらうと、相手DFを鋭くかわして右足を振り抜いた。この3点目には生粋の点取り屋である南野らしさが存分に表われていたと言っていい。 「ペナのあそこのスペースを狙っていくのはチームとしてのコンセプトの1つでもあるし、僕が得意なプレー。薫がタイミング良くパスをくれて、うまく相手をかわして、落ち着いて流し込むことができたので良かったです」と本人も満面の笑みを浮かべた。 その6分後の4点目は、町田の縦パスを上田綺世(フェイエノールト)が粘って落としたところをフォロー。3人のDFの間に持ち込んで豪快に右足で蹴り込んだ。 この2つの得点によって、南野は代表通算得点を「23」とし、高原直泰に並んだ。24点の中村俊輔、25点の大迫勇也にもあと一歩と迫っており、30点台も視野に入ってきたと見てよさそうだ。 上記2つのゴールに象徴される通り、最前線での迫力と精度は今季のモナコでも色濃く感じられる部分。やはり所属チームでの活躍は嘘をつかない。南野自身も「モナコでの勢いを還元したい」と意欲満々だったが、それを実際に具現化できた意味は大きい。
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