AI関連テクノロジー株で好成績のファンド、過熱セクターから退却
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)関連のテクノロジー株を原動力に好成績を収めたアジアのトップファンドが、過熱するこのセクターへの投資から一時的に退却している。
ロンバード・オディエ・インベストメント・マネジャーズで2億6870万ドル(約395億円)規模の「アジア・ハイ・コンビクション・ファンド」を共同運用するフェイ・ガオ氏はインタビューで、「世界的な地政学上の緊張とマクロ経済の需要を取り巻く不確実性」を理由に、情報技術(IT)セクターへのエクスポージャーを「削減した」ことを明らかにした。同ファンドは今年約27%のリターンを上げ同種ファンドの98%を上回った。過去5年では5.7%のリターンを上げている。
代わって、インドの堅調な内需主導型経済と、着実な成長を遂げる中国のプラットフォーム技術企業への投資を拡大していると、1年前から同ファンドの運用に携わっているガオ氏は述べた。
AIへの賭けで大きな成功を収めたファンドマネジャーらは、いつまでその波に乗り続けるべきかという疑問にますます直面している。先週の中国による積極的な景気刺激策の発表とそれに続く株式市場の活況は、そうした判断の複雑さを増すばかりだ。
ガオ氏のファンドのパフォーマンスはアジアのテクノロジー企業に大きく依存している。6月末時点で資金の31%がITセクターに割り当てられており、依然として最大のセクターエクスポージャーだ。しかし、供給過剰などの「循環的な逆風」を考慮すると、現在の評価は懸念材料だと同氏は述べた。
「長期的な見通しはポジティブだが、短期的には悪くなる可能性があると考えている」とし、「少し割高になってきている」と指摘した。
SKハイニックスとマイクロン・テクノロジーは最近、供給過剰懸念から格下げされた。しかし、韓国の半導体在庫は8月に2009年以来の高ペースで減少し、AI製品の市場はベインの予測によると27年に9900億ドルにまで膨れ上がるとみられている。