杉咲花「おちょやん」朝ドラヒロインが期待できる理由
2020年度後期のNHK連続テレビ小説「おちょやん」のヒロインに、杉咲花が決まった。杉咲演じる竹井千代は、上方女優の代名詞的存在で大阪のお母さんと呼ばれ親しまれた女優・浪花千栄子氏がモデル。実在の人物ではあるが、物語を大胆に再構成し、フィクションとして笑って泣ける人情あふれる波乱万丈の物語を描くという。杉咲は朝ドラヒロインの大役を果たせるか。
人選が安定志向になってきた?朝ドラヒロイン
朝ドラヒロインは、オーディションや脚本家の要望など人選の背景は多少異なっても、すでに芸能界で活躍中の女優から選ばれることが多い。放送中の「スカーレット」の戸田恵梨香はもちろん、2020年前期「エール」は二階堂ふみがヒロインに決定している。最近は朝ドラも安定志向になってきたのでは、との声も聞こえる。 「ある程度キャリアはあっても、まだまだ女優としては経験の浅いクラスの若手ヒロインが、半年間という長期間に渡るドラマ出演を通して成長する様を見せるのが朝ドラの醍醐味の一つでした。それがここのところ、新鮮味より安定重視になってきたといわれます。前作『なつぞら』の広瀬すずも、年齢は若いですが知名度も実績もある女優ですし、『まんぷく』の安藤サクラは演技力に定評ある実力派女優。さらにさかのぼっても、『べっぴんさん』芳根京子、『とと姉ちゃん』高畑充希、『あさが来た』波瑠と、ある意味では無難といえる人選になっています」と指摘するのは、テレビ情報メディアの40代女性編集者。 そして今後は、さらに安定志向になっていくことが予想されるという。 「2020年前期の『エール』からは、これまで週6日放送だった朝ドラが、土曜の放送をやめて月~金の週5日放送になります。同作からは4Kで制作されますが、従来より制作に時間がかかり、制作期間も延びます。キャストやスタッフの負担を軽減するため、土曜の放送はしないという判断になったと、7月の放送総局長定例会見で説明がありました。働き方改革の流れの中での判断です。これがキャストの人選にも影響し、現場も午後9時には終えることができるよう、新人を起用するより盤石に収録が進められる演者が求められているわけです」と分析するのは、スポーツ紙の40代男性記者。