『もうじきたべられるぼく』作家・はせがわゆうじ「原作・実写化問題はひとつの答えでは収まらない」
「号泣注意」のキャッチコピーともに、読み聞かせ動画がTikTokで300万回再生されて話題となった物語『もうじきたべられるぼく』。動画だけで拡散されていた物語が、10年の月日を経て、絵本『もうじきたべられるぼく』として刊行され、版を重ねて話題になっています。原作・実写化問題についてはせがわさんが思うこと……。人生観がつまったイラストエッセイ「なんだもんぱんだもん」です。 【イラスト】手玉にとってみた・・・ * * * * * * * ◆原作と二次創作という考え方 原作が実写化される時のいろいろな問題、注目されてますね。 様々な意見が世の中を飛び回っていますが やはりこれには画一的な答えを出すのは難しいだろうなと思うんです。 人によってずいぶん違いますから。 自分の手を離れたらもうそれは別物と割り切れる人もいれば このキャラの性格だけは絶対変えないで欲しいと頑なに思う人もいたり。 基本的に原作どおりの実写化ってどうしても無理があると思うので 二次創作という考え方の方が自然ではあると思うのですが。 二次創作に携わる人は、ちゃんとコミュニケーションをとって きっちり原作者の人の気持ちは汲んで欲しいですね。
◆ひとつの答えでは収まらない問題 0から何かを創り出す人って、往々にして繊細でナイーブな人が多い気がしますので、 そこは周りの人たちがフォローしていかないと 些細なことと思われがちなことが、その人にとっては致命的なぐらい 大事なことだったりしますので。 でも映画『ブレードランナー』のように かなり原作からかけ離れてるのに、SF映画の金字塔のように 大ヒットしてしまった作品もありますから。 作者のフィリップ・K・ディックさんは試写会のあと 他界されていますが、もし健在でしたら何を思ったでしょうね。 十人十色、ケースバイケース、ひとつの答えでは収まらない そんな問題な気がします。
はせがわゆうじ