イチローはどこまで記録を伸ばすことが可能か?
3000安打を打った日の試合後、イチローは、米メディア、日本メディアの順で会見を行ったが、米メディアの会見中にマーリンズのクラブハウスへ入ると、小さなテーブルの上に、多くのシャンパングラスが無造作に置かれていた。 6月、日米通算ながら、イチローがピート・ローズの大リーグ通算安打を更新したときにはマイアミへ帰るチャーター機の中で祝杯を挙げ、そのときはマーティン・プラドが乾杯の音頭を取ったが、今回は誰が? と横のテーブルで食事をしていたディー・ゴードンに聞くと「ドニー」だと教えてくれた。“ドニー”とはドン・マティングリー監督の愛称。今回は監督自ら、イチローの大リーグ通算3000安打を称えたのだった。 昨年8月、やはり日米通算ながらイチローがタイ・カッブの通算安打記録を超えたときには、元楽天のケーシー・マギー(現タイガース)が、わざわざ用意した日本酒で乾杯したが、果たして今後、どれだけこういう機会があるのだろう。 会見でイチローは、「次、こういう状況が生まれるとしたら4000(安打)しかないですからね。そこまでは、なかなか(先のこと)ですから」と話したが、まずは日米通算5000安打が先にやってくる。そこまでは、11日現在、720本。これもイチローの言葉を借りれば、「なかなか」先のことである。仮にそこへたどり着けば、メジャー通算4000安打も見えるのかもしれないが、さて、どうだろう。 ちなみに過去、選手らは42歳以降のキャリアでどれくらいの数字を残してきたのか。「Baseball reference.com」を利用して、いくつかの大リーグ記録を調べてみた(620打席以上)。 通算打率 キャップ・アンソン 3割3分2厘 安打数 キャップ・アンソン 546安打 出場試合数 フリオ・フランコ 636試合(1618打席) 打数 キャップ・アンソン 1643打数 打席数 キャップ・アンソン 1895打席 現在、落ちている2割8分8厘の打率が最終的に3割3分2厘を上回れば、42歳以上の選手では最高打率となるわけだが、何度も名前が出てくるキャップ・アンソンは今年5月、イチローが蘇らせた。