イチローはどこまで記録を伸ばすことが可能か?
イチローが5月21~23日の3試合で13打数10安打と打ちまくると、42歳以上の選手が3試合で10安打以上をマークしたのは1894年8月にアンソンが記録して以来、112年ぶりとなったのだ。1900年以降の近代野球ではもちろん初めてのことだったが、イチローの場合、ウィーリー・キーラーの8年連続200安打など、超えて来た記録は100年以上も昔ということが少なくない。イチローの記録の一つの特徴だ。 さて記録が古いだけに単純比較は難しいが、アンソンは45歳までプレイし、42歳からの4年間で546安打を放っている。安打数で続くのがロッテでもプレイしたフリオ・フランコで42歳(2001年)から48歳で引退するまで409安打を放ち、3位は45歳で引退したピート・ローズの387安打となっている。 以下、42歳以降の通算安打トップ10(620打席以上)を紹介する。 (※ 3,000安打達成選手) 1. キャップ・アンソン 546安打 ※ 2. フリオ・フランコ 409安打 3. ピート・ローズ 387安打 ※ 4. カールトン・フィスク 293安打 5. カール・ヤストレムスキー 227安打 ※ 6. オマー・ビスケル 220安打 7. サム・ライス 216安打 8. ホーナス・ワグナー 185安打 ※ 9. ルーク・アップリング 178安打 10. ジム・オルーク 158安打 (9月1日、現在、イチロー 78安打) こうしてみると、先ほども触れたようにイチローが日米通算5000安打に必要なのは現時点で720本だが、仮にそれだけのヒットを打ったとしたら、過去の記録を大幅に塗り替えることになる。 可能だろうかーー。 それ以前にヒットを打つとしたら試合に出て打席に立たなければならず、42歳以降の出場試合数トップはフランコの636試合で、1618打席に立っている。年代も近いことから、この数字は一つの目安になるが、フランコの試合数を上回るだけでも、今季想定される139試合を足したとしても、今後、年間120~125試合にとどまれば、あと4年程度かかる。打席数はまた別で、今季は300打席程度の見込み。それを加えても、やはりフランコを上回るとしたら、年間250~270打席前後として5年はかかる。そのときイチローは47歳だ。 打数を年間220として3割を打つとすれば年間66安打。5年で330安打。今年は95安打ペースなので合わせれば425安打。よってフランコの42歳以降の通算安打数を上回るにも、5年は必要ということになる。