日本とスペインで違う「日常の風景」。アイスクリームをよく食べ、夜まで元気
「散歩をすること」が生活の一部
「今日は散歩してた」「散歩してから行くね」「今から散歩しない?」 会話の中で散歩という言葉がよく行き交います。日本にいたときの散歩といえば、休日に緑地帯を歩くようなイメージだったため、初めて聞いたときは、わざわざどこに? なにをしに? と、どうも様子がつかめませんでした。 “外をのんびり歩くこと”は、スペイン人の日常の一部。つねに太陽を感じる生活がいちばん豊かだと思われています。どこを歩いても陽が当たり、緑が多く、目が合うと微笑みかけてくれる環境だからこそ、みんなが散歩好きなんですね。
食事するなら決まって「テラス席」
年間の日照時間が約3000時間といわれるスペイン。「せっかく天気がいいのに部屋の中?」と思われるのは食事時間も同じです。店先に少しでもスペースがあれば机と椅子が置かれ、まず先に埋まるのはそのテラス席です。 室内は空席だらけなのに、あえてテラス席を待っている人もいます。店舗によっては室内より料金が高くなることもあり、テラス席こそ特等席だと思われています。とにかく暑くても寒くても外が大好きなスペイン人。隣に通行人が歩いても、真横に車が通っても、なにも気にせず仲間との話に夢中です。
「深夜まで」みんなが元気
スペインの夕食はスタート時間が遅く、21~22時頃から開始する習慣です。とくに夏場は陽が長く21時半頃まで明るいこともあり、暗くなりはじめてからゆっくりと食事が始まります。そのため飲食店は24時頃まで営業し、人通りも絶えません。 日本でこの時間帯だと社会人や若い世代が多い印象ですが、スペインでは60代以上の方々も多く見かけ、3世代で深夜まで食事を楽しまれる姿も珍しくありません。 なお、スペインには日中に仕事を中断し、数時間の休憩「シエスタ」を取る習慣も一部で残るため、昼の暑さを避けた夜型生活が定着しているのかもしれません。 スペイン人の週末は、家族やお決まりの仲間と大集合することが多いと聞きます。子どもたちが社会人になっても週末は必ず両親の家で食事をとり、時に親戚も大集合。彼のお兄さんの奥さまの妹の子どもの…と家系図がどこまでも繋がり、どんなに遠い親戚でもファミリーです。 毎週会うファミリーとも今日知り合った人とも打ち解けた会話ができ、だれとでも肩を叩き合って喜びを分かち合える国民性。社交的で人懐っこく明るいスペイン人が、本当に好きなことは「人と会話をすること」なのかもしれません。
Rita