今や600万円以上!? 高騰するカワサキZ1の魅力に迫る!!!(俳優・大野拓朗の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」)
1970年~1980年代に発売された国産旧車が、“絶版旧車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!”と、注目する絶版旧車の魅力を、バイク好きの俳優・大野拓朗と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。今回は1972年にデビューしたカワサキ「900スーパー4」に試乗! 【写真を見る】極上のカワサキZ1を隅々までチェック!!!(18枚)
カワサキ「Z」シリーズの始まり、Z1
河西啓介(以下、カワニシ):絶版旧車の中でもとくに人気なのがカワサキのバイクです。なかでも1972年にデビューした通称“Z1”ことカワサキ900スーパー4は横綱級の人気モデル。拓朗くんもカワサキの“ゼット”といえば聞いたことがあるでしょ? 大野拓朗(以下、大野):もちろんです。マンガの『GTO』や『湘南純愛組!』にもゼッツーが出てくるし、そんなマンガの影響もあって「バイクはカワサキ」ってイメージがありました。といっても実車に触れるのは今日が初めてです。ワクワクするなあ。 カワニシ:Z1は1967年生まれの僕にとっても旧いバイクだから、1980年代後半生まれの拓朗くんが触れる機会がなかったのも当然ですね。話は60年代後半に遡るけれど、当時、カワサキは密かに4ストローク4気筒の大型バイク開発を進めていた。その頃、カワサキのスポーツバイクといえば2ストロークがメインだったのだけど、時代は4ストロークに移行しつつあり、4ストのモデル開発が急務だったんです。 大野:その頃のカワサキ車で有名な「マッハⅢ(スリー)」も2ストロークですよね。 カワニシ:そうそう。2ストロークのほうが構造的にシンプルでパワーも出しやすいから、かつては主流だったんです。しかし1969年にホンダが4気筒4ストロークエンジンを積んだ「CB750FOUR」を発表してしまった。おなじナナハンクラスのマシンを開発していたカワサキは先を越されてしまったんです。そこでカワサキは「ホンダを超えるモデルを出そう」と、エンジンや車体デザインを全面的に見直し、1972年に満を持してCB750より大きな903cc4気筒エンジンを積んだZ1を発表した。車名はアルファベットの最後の文字であり究極を表す“Z”と世界一を目指し“1”を組み合わせたもの。排気量が大きいだけじゃなく、バルブ駆動方式はDOHC、パワーは82psという高性能ぶりでCB750を凌駕したんですね。 大野:ライバルに先を越されたことをバネにして、「もっとすごいモノをつくってやろう」というエンジニアの意気込みから生まれたんですね。そのストーリーがカッコいい。“漢(オトコ)カワサキ”って言われるゆえんですね。