路線価 岡山県は3年連続上昇 24年分 中心市街地の土地需要増
広島、高松国税局が1日公表した2024年分の路線価は、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済の回復傾向が続き、中国地方の対前年の平均変動率は3年連続で上昇、四国地方は32年連続のダウンとなったものの下落幅は縮小した。県別では岡山、広島が3年連続の上昇、香川は32年連続の下落。最高路線価は岡山、広島、香川ともに上がった。再開発事業などが進み、中心市街地の土地需要が伸びている。 岡山県の路線価は、5727地点の平均変動率が前年比1・7%アップ(前年は1・3%上昇)。上昇地点は岡山、倉敷市の中心部など3252地点だった。全調査地点に占める割合は56・8%で、前年の51・5%から拡大した。 最高路線価は岡山東税務署管内の「岡山市北区本町、市役所筋(東側)」の1平方メートル当たり179万円(前年比9・1%増)で、3年連続で上がった。43年連続の県内トップで、中国5県の税務署別の最高では前年に引き続き3位。対前年の上昇率は全国の県庁所在地で3番目に高かった。 県内13税務署別の最高は、岡山西がイオンモール岡山近くの「岡山市北区下石井1丁目、市役所筋(西側)」で、前年比7・5%増の157万円、倉敷は「倉敷市阿知1丁目、倉敷駅前広場通り」で2・8%増の37万円と、いずれも3年連続のプラスだった。玉島は「倉敷市新倉敷駅前2丁目、新倉敷駅前通り」で12年ぶりに上がり12万5千円(4・2%増)。高梁は「高梁市旭町、高梁駅柿木町線通り」で6万円、新見は「新見市高尾、国道180号通り」で4万円と、いずれも前年の下落から横ばいに転じた。津山は「津山市大手町、鶴山通り」(5万8千円)で2年連続の横ばい。下落した税務署はなかった。 18年7月の西日本豪雨で被害を受けた倉敷市真備町地区全域の平均変動率は、前年比0・8%下落(前年は0・6%下落)だった。 県南の不動産鑑定士は「コロナ禍の影響がなくなり、岡山市中心部の再開発やマンション建築の動きが本格化。底堅い土地需要の増加につながり、全体を押し上げた」としている。