第93回選抜高校野球 市和歌山・白木彪斗選手、母の支えに感謝 朝美さん「野球する姿好き」 /和歌山
<センバツ2021> 全国一を目指す市和歌山は、今大会でベンチ入りを果たせなかった選手や保護者も、一丸となってチームをもり立てている。肩の強さが持ち味の三塁手・白木彪斗(あやと)選手(2年)はベンチ外の裏方に回ったが、女手一つで育ててくれた母親への感謝の気持ちを忘れず、大会に臨む。【橋本陵汰】 白木選手は、兄の背を追い野球に励む弟の偉大(いお)さん(14)、母朝美さん(36)の3人で生活している。朝美さんが掛け持ちで二つの飲食店で働きながら、息子たちを懸命に支えてきた。 朝美さんは午前9時~午後6時まで一つ目の飲食店で働き、いったん帰宅して息子たちの夕食の準備をしている。午後8時半からは別の飲食店で仕事をする毎日だ。睡眠時間は少ない日で、わずか2時間程度。それでも「息子たちの野球をやっている姿を見るのが好き」と言い、白木選手の練習試合はほとんど観戦に行っている。 新型コロナウイルスが飲食店に大きな打撃を与えている。朝美さんも勤務時間が短くなり影響を被っているが、「息子たちと一緒にいられる時間が増えた。素振りの動画を撮って手伝いをしてあげている」と、あくまで前向きだ。 白木選手も母の負担を減らすため、自宅では洗濯物をたたんだり、時には夕食を作ったりしてきた。母について白木選手は「いないと野球ができない。毎日支えてくれる大切な人」と感謝の言葉を口にする。今回のセンバツはベンチ入れを果たせなかったが「裏方としてメンバーに声を掛け、支えていきたい」と話している。