見通しの甘さ目立つ万博 新たに76億円負担も 建設遅れの国に"タイプX"用意も移行進まず 紙チケット、大屋根リングのリユース・・・課題山積
海外パビリオンの建設が遅れている大阪・関西万博。 この遅れの影響で新たに最大76億円負担する可能性があると万博協会が27日、明らかにしました。このほかにも、追加負担を求められそうな課題は多く、見通しの甘さが目立っています。
会場建設費は当初の1.9倍 新たに負担が増える懸念が浮上
大阪・関西万博の会場建設費は2350億円と、すでに当初よりも1.9倍上振れしています。 この予算内から出すとはいえ、日本側の負担が増えるのは避けられません。 (万博協会・石毛事務総長)「76億円。最大限の数値を示して判断いただいた。そこを必ず使うというものではない」 27日に万博協会が明らかにしたのは、海外パビリオンの建設が遅れている影響で協会が最大76億円程度の負担を見込んでいるということです。 万博に参加を予定している161の国と地域のうち、51カ国が独自のデザインで建設できる"タイプA"と呼ばれる方式でのパビリオン出展を希望しています。 しかし、11カ国で建設業者が決まっていません。
インド"タイプA"は幻に "タイプX"に移行促すも進まず
そのうちのひとつがインドです。 ヒマラヤ山脈をイメージしたパビリオンを建設する予定でしたが、断念する意向を示しました。 代わりに採用するのがプレハブ型の"タイプX"です。
"タイプX"は、準備が遅れている国の受け皿として、万博協会が先行して9棟準備しています。 ただ、インドを含め"タイプX"での出展の意向を明らかにしているのは4カ国にとどまります。 活用されなかった"タイプX"の建設費用や、"タイプA"を断念した国の空き地の整備費などについては万博協会が負担することになります。 (石毛事務総長)「(残ったタイプXは)"タイプC"移行国の受け皿あるいは団体や校外学習用の休憩所、あるいはイベントを行う施設として協会が活用する」、「(タイプAからの)変更によって生じた空き地については休憩スペースなどとして協会が整備していく」 これらの費用は会場建設費の予算内から捻出するとしていて、負担が増えるわけではないと強調しました。 ただ、タイプAの建設が当初の予定通り進んでいれば日本側が負担する必要のなかった出費です。