「崩れ朽ちる姿は本当の軍艦島ではない」元島民が語る 故郷の島「端島」が引き寄せた58年ぶりの旧友との再会
本当の軍艦島を知ってほしい
現在、高比良さんは軍艦島デジタルミュージアムのナビゲーターとして、来訪者に島の歴史を伝える役割を担っている。軍艦島は今や世界的に注目される観光地となっていて、島上陸ツアーの運営をしている軍艦島コンシェルジュによると、2025年1月5日までのクルーズ船の上陸ツアーは連日満席となっている。(※最新の予約状況はHPを確認してください。1月6日~クルーズ船のメンテナンス) また軍艦島デジタルミュージアムも通常12月は閑散期だが、現在は平日でも1日200人、週末は1日400人が訪れていて、通常の約5倍の人が来館している(2024年12月現在) 新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行されて以降、海外旅行者によるツアー予約者は全体の約3分の1を占めていて、国内のみならず世界の関心を集めている。世界中から注目を集める今の状況を、元島民として高比良さんはどのように受け止めているのだろうか。 「今は建物の中が崩れたりとか、朽ちているイメージがある。元島民として、自分が住んでいた島が朽ちて日々崩れていく姿を見るのは悲しい。本当の軍艦島はこうではなかった。立派な建物を残して島を訪れる人にはその姿を見てほしかったという気持ちはあるが、現実的にはいまの状態を見てもらうしかない。その分、当時の最盛期だった頃の島の姿や歴史を今後も伝えていきたい」と語り、元島民として、現在は端島を案内するナビゲーターとして改めて決意を語った。 軍艦島は、日本の近代化と産業発展の象徴でもあり、そこに暮らした人々の人生そのものだった。在りし日の島の姿を多くの人に伝えたいという強い思いを胸に、高比良さんはきょうもナビゲーターとして活動している。 軍艦島デジタルミュージアム(長崎県長崎市松が枝町5-6)tel.095-895-5000 営業時間:9:00 ~ 17:00(最終入館16:30) / 休館日:不定休 (テレビ長崎)
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