能登半島地震「被災地は今」 震災に豪雨…冬を前に再起した町唯一のスーパー「雪の孤立を覚悟で生きている」
南日本放送
北陸地方を襲った能登半島地震から間もなく1年です。ニューズナウでは、能登半島地震についてお伝えします。 【写真を見る】能登半島地震「被災地は今」 震災に豪雨…冬を前に再起した町唯一のスーパー「雪の孤立を覚悟で生きている」 先月中旬、石川県を取材しました。元日の地震だけではなく9月の豪雨災害、その爪痕が至るところに今も残っていました。 能登半島は、海や山に囲まれた半島であること、また、高齢者が多く住んでいる地域であること、この2つの要因が被害を大きくし、復旧の遅れにもつながっていると感じました。 今、能登の人たちは本格的な冬を前に、雪による孤立を覚悟して生活しています。被災地の今を取材しました。 1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生。震度7を石川県の輪島市や志賀町で観測しました。 石川県内では、全壊などの住宅被害が9万4910棟、住宅の下敷きなどにより228人が死亡。地震後に避難所などで亡くなった関連死は241人です。 (記者)「元日から11か月が過ぎ、7階建ての倒壊したビルもようやく解体作業が始まっています」 元日の地震で倒壊した7階建てのビルは先月から取り壊しが始まり、すぐ近くの輪島朝市も重機によって解体が進められていました。 そのすぐ近くで営業を再開した酒造会社があります。 創業112年の歴史を持つ日吉酒造店です。 Q.いつから営業再開した? (日吉酒造 池田優美子さん)「5月の終わりに水が出始めて、少しずつ営業し始めた」 製造ラインは地震で壊滅的な被害を受けました。現在は北海道や広島にある別の酒造会社の施設を借りて日本酒をつくり続けています。 従業員の池田優美子(58)さんです。自宅で大きな揺れを感じ、500メートル離れた高台に走りました。 (池田優美子さん)「東日本大震災(を思い出し)海が近いから、『地震』=『津波』と以前から思っていたので、貴重品と重要なものだけ急ぎ取って逃げた」 能登半島地震では東日本大震災以来となる大津波警報が発表され、最大およそ5メートルの津波が沿岸を襲い、2人が亡くなりました。地震直後の火災で池田さんの自宅は全焼。現在、仮設住宅に暮らしています。