能登半島地震「被災地は今」 震災に豪雨…冬を前に再起した町唯一のスーパー「雪の孤立を覚悟で生きている」
「先のことは当分考えられない」と言いながらも、活気に溢れていた輪島朝市の復旧を願っています。 (池田優美子さん)「災害に強い町づくりができればいいと思うし、また観光客が戻ってくればありがたい」 9月、被災地を再び災害が襲いました。輪島市では1時間に121ミリの猛烈な雨を観測。石川県で初めて大雨特別警報が発表され、15人が亡くなるなど豪雨災害となりました。 石川県によりますと、最大17地区・115か所の集落が孤立。地震や豪雨の爪痕は今も多くの道路に残ったままです。 (石川県危機対策課 大野昌人参事)「能登は地滑りが多い土地柄で、大雨が降って地震でゆるんだ地盤が、雨によって一気に流出したような形。地震が起因した大雨との二重災害、複合災害的な大被害になった」 町野町に唯一あるスーパーの3代目社長・本谷一知さん(47)です。地震があった元日以降、毎日欠かさず営業を続けていましたが… (提供映像:本谷一知さん)「浸水してきました」 9月21日の豪雨で近くの川が氾濫。水はあっという間に店内に流れ込み、町は濁流に飲み込まれました。 地震と水害による被害総額はおよそ1億3000万円。2か月間休業し、スタッフやボランティアの協力を得て、先月11日から営業を再開しましたが、今も停電は続いています。 (本谷一知さん)「これ見てもらえばわかるが、客が勝手に書いてくれる」 店内に掲げられたのは、再建後の店のイメージです。買い物スペースのほか、工事関係者やボランティアの宿泊スペースを確保し、復興の拠点となる姿が描かれています。 (地元の住民)「ここを見た時、涙が出てどうしようかと思った。スーパーがなかったら食べていけない」 (本谷一知さん)「育ったこの場所にこだわる人がいるのと、のべ1000人ほど(のボランティアが)泥出ししてくれた。この場所で水害対策して、明かりを灯すことが私の責任の取り方だと思っている」 能登半島はこれから本格的な雪の時期を迎えます。今も通行止めの道路や雪を溶かす装置が断線しているところも多く、先行きが見えず不安を募らせています。