流麗なメルセデス・ベンツ「CLA シューティングブレーク」は実用性も死角なし! 粋を知る人に乗ってほしいクルマでした【AMWリレーインプレ】
最新MBUXのAIが賢くなってストレス激減
さて、都内でCLA 200 d シューティングブレークを受け取って走り出す。2Lの直4ディーゼルターボは最高出力150ps、最大トルク320Nmというスペックで8速ATが組み合わされているが、最新のメルセデスのディーゼルエンジンは本当にキメが細かくて静か。アクセルの踏み始めからドライバーの意図どおりにトルクを発揮してくれるし、強めに踏み込めばレブリミット近くの4500rpmまで気持ちよく伸びる。 首都高~厚木までの渋滞にどっぷりハマっている間は、ACC(追従式クルーズコントロール)任せでOKなので肉体の疲労はゼロだ。メルセデスのACCは渋滞でのゼロ発進から高速域まで制御が洗練されていて、その気になれば高速道路内の入り口から出口まで、ペダル操作なしでも行けるのでは、と思えるほど。 そして、CLA シューティングブレークに限った話ではないのだが、メルセデスの対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」の最新バージョンの音声認識機能は非常に優秀で、まさしく白眉。 「ハイ、メルセデス」で立ち上がるAIの出来がよく、エアコン操作は「ちょっと暖かくして」などと言えばOKだし、ナビの目的地も適切に聞き取って、候補からの選択やルート選びまで音声操作だけでほぼ完結する。実際、今回の試乗でも、ナビ操作はすべて音声だけで済ませることができた。 近年、自動車メーカー各社がタッチパネル操作を偏重しすぎるがあまり、かえって運転中の安全性を損ねていると問題提起されている。しかし最新のMBUXなら、そもそも指で操作するシーンが激減するため、そんな心配が要らなくなってしまうのだ。 ちなみに渋滞中に暇をもてあまして「ハイ、メルセデス、何か面白い話をして」と言っても、対応してくれた。どんな話をしてくれるのかは、ぜひ実際に試してほしい……。
スポーティな走りもできるけど、ゆったり余裕で走りたい
いつものワインディングロードに持ち込んでみる。トルクフルな直4ディーゼルエンジンは登り坂でも車両重量1600kgのボディを軽快に加速させるし、FFレイアウトながらリアの接地感も上々で、いわゆるオンザレールな走りを披露してくれる。 コーナーが連続する場面では「ダイナミックセレクト」で「スポーツ」モードを選べば、ステアリングの遊びも小さくなる。さらに細かく好みを反映したければ、「インディビデュアル」モードで各項目を個別に設定することも可能だ。やや攻め気味に走ってみると、ESPの介入タイミングがやや早めかな? と感じる場面もあったが、駐車場でダイナミックセレクトをよく見ると、ESPも設定可能だった。 とはいえ、CLA 200 d シューティングブレークはスポーティに走るよりも、ゆったりした気持ちで景色を楽しみながら流すのが心地よいクルマ、というのが個人的な感想だ。その点では、試乗車はAMGラインパッケージ装着でタイヤサイズが225/40R19だったが、標準の225/45R18の方がソフトな乗り心地でマッチするかもしれない。
【関連記事】
- 【画像】ラゲッジルームも使い勝手よし! メルセデス・ベンツ「CLA 200 d シューティングブレーク」を見る(41枚)
- ◎ゴルフ好きも満足! メルセデス・ベンツ「CLA 200 d シューティングブレーク」のトータルバランスに感動しました【AMWリレーインプレ】
- ◎「シューティングブレーク」って何?「ワゴン」との違いは?…フェラーリ「FF」やポルシェ「タイカン スポーツツーリスモ」も同じジャンル?
- ◎VW「ゴルフGTI」は「老舗の蕎麦屋のカツ丼」!? 本家FFホットハッチの高度なトータルバランスは感動ものです【AMWリレーインプレ】
- ◎スズキ「ジムニー」は舗装路を走っても楽しいの!? 峠で試すと独自のスポーティな感覚が最高でした【AMWリレーインプレ】