流麗なメルセデス・ベンツ「CLA シューティングブレーク」は実用性も死角なし! 粋を知る人に乗ってほしいクルマでした【AMWリレーインプレ】
流麗なデザインとそこから派生するライフスタイルが肝
では、「4ドアクーペ」は「セダン」と何が違うのか? クーペ的な流麗なデザインをまとっていること、というのが、ひとまず教科書的な回答だが、重要なのは「クーペ」というコンセプトそのものにある。実用性のみを追求するなら他のボディ形状でいくらでも選択肢があるわけで、クーペに求められるのは「粋」とか「伊達」、あるいは「カッコよさ/美しさ」といったものを優先するオーナーの価値観、ライフスタイルを実現すること。「自由」と言い換えてもいいだろう。 そんな4ドアクーペにワゴン状のリアボディを与えて、後席の快適性とラゲッジスペースをプラスしたのがシューティングブレーク。スタイリングやドライバーの気持ちよさをスポイルすることなく実用性も両立するものであり、最初から空間効率を優先して設計されたステーションワゴンと比較して引き算で評価するのは野暮というもの。別個のカテゴリーとしてプレーンな視点から向き合ってみたい。
パッケージングの実用性に死角なし
あらためて今回のメルセデス・ベンツ「CLA 200 d シューティングブレーク」を見てみると、とくに現行型ではリアまわりのデザインがさらにグラマラスかつシャープになり、シューティングブレークならではのスタイリングが洗練されている。フロントまわりは2023年9月のフェイスリフトを受けて、スターパターンフロントグリルが節度のある高級感を演出するとともに、AMGラインパッケージの装着によってバンパーがスポーティな表情を増した、メルセデスの最新デザインとなっている。 見た目の存在感とは裏腹に、ボディサイズは全長4685mm×全幅1830mm×全高1435mmで、最小回転半径は5.1mm(4MATICモデルは5.4m)。日本の都市部でもまったくストレスを感じないコンパクトさだ。 それでいてラゲッジルームは505L確保されていて、4:2:4分割可倒式のリアシートを全て倒せば1370Lまで拡大する。リアシートも身長173cmの筆者が座っても頭上に圧迫感はなく、足元も十分なスペースが確保される。 上記でさんざん書いておいて恐縮だが、パッケージングにおいて何のストレスもない。日常的にリアシートまでフル乗車したり、大きな荷物を積むような人は、事前にディーラーへメジャーを持っていって確認するのがベターだろう。 唯一気になったのは、フロントの車高の低さ。標準で最低地上高135mmで、お借りした「AMGラインパッケージ」装着車では120mmとスポーツカー並みの数字だ。店舗への出入りや駐車シーンでは多少気を使う必要があるし、凸凹の激しいキャンプ場には行かないほうがいいだろうが、シューティングブレークというこのクルマの性格を踏まえれば受け入れられる範囲だ。
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