給湯室から聞こえた「マジきもいよね」…女性社員から嫌われていた上司が無意識に踏んでいた“地雷”とは【アナウンサーが伝授】
部下の指導に悩み、苦労しているビジネスパーソンは多いでしょう。1on1などのミーティング時の返し方ひとつで事態が思わぬ方向へ行ってしまうこともあるため、言葉選びには注意が必要です。本記事では、部下のなかでも「女性」に焦点を当て、円滑なコミュニケーションをとるために注意すべきことを、アナウンサーであり、女性社員が中心の企業を経営する樋田かおり氏が解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
ある男性管理職の実話
男性管理職のAさんは女性部下の仕事ぶりに悩まされていました。20代後半のその女性は新卒で営業事務職として入社。1年前に係長となり、後輩や新入社員に教える立場でもあります。しかし、最近、顧客に出す見積の納期が遅れたり、依頼した仕事を指示どおりに進めず放置していたりすることが続いているのです。 経験のある業務なのになぜできないのか? もっと責任感を持ってやってほしいーー。注意するために、面談の場を設けたところ、女性からはしばらくの沈黙のあと、意外な言葉が返ってきました。 「私、ストーカーされているかもしれません」 職場の人に付きまとわれているのかと思ってAさんが聞くと、そうではないそうです。女性は、一人暮らしをしている自分の家から駅までの道のりを誰かに付けられている気がするといいます。被害はあるのかとAさんは尋ねますが、「それはありません」との答え。心当たりもないと言います。 Aさんは身の上話を聞かされたと思い、仕事の話に戻しました。すると、女性はなにも答えなくなってしまい、しまいには泣き出してしまいました。面談は中断に……。 さらに後日、女性が給湯室で同期の女性に「A部長ってマジできもいよね」と悪口を言うのを耳にしました。Aさんが少しのあいだ聞き耳を立てていると、Aさんが面談で彼女を追い詰めたというような内容を話している様子でした。話を聞いていた同期は「わかる。あの人、そういうところあるよね」と同調していました。 ちなみに、若い世代の「きもい」とは「生理的に受け付けない」という意味に限らず、単に「自分は嫌いである」「自分にとって不快である」という意味で使われることが多いです。