急増する来日外国人 対策急務の「医療通訳」は課題山積
「通訳もすべての専門用語は分からない」
会議の委員長を務めた長野県国際課の山本晋司課長は、「全国的な問題でもあり、最終的には医療通訳士のような制度が期待されるだろうが、難しいかもしれない。東京五輪が(対策前進の)きっかけになればいいのですが」と、手探り状態の現状を指摘。また通訳の謝金の負担の在り方についても「これは国レベルの検討課題になるのではないか」と話しました。 実際に長い間中国語の通訳をし、医療通訳の経験もある長野市の女性は「通訳は、どんな状況においても常に勉強しておくことが大切。しかし、すべての専門用語などが分かる訳でもないので、現場では常にメモすること、辞書を持参すること、分からないことを聞き直すことが大切」と話し、通訳者に相当の負担がかかることを示唆しています。 また同様にタイ語の通訳をしてきた長野市の女性は「通訳を介して話すことに慣れていない医療従事者がいます。外国人は日本の医療制度も知らないので日本人に話すのと同じように話して訳すだけではなく、どこの部分を説明的にするかなどの配慮が必要でしょう」と指摘。また、通訳者の責任の範囲の問題として「通訳に何を期待するかのコンセンサスができているのか疑問です。本来の意味での通訳に徹しないとトラブルのもとになります」と、注意喚起しています。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説