【毎日書評】悪い知らせは先に伝える。少しの工夫で仕事をスムーズに進める2つのライフハック
交渉中には、相手の顔から目を離さない
ビジネスの交渉をする際は、相手の名刺や手元の資料に視線を落としてはいけないそう。交渉は相手の顔をじっと見つめて行うべきですが、資料に目をやっていると相手の顔を見ることができなくなってしまうからです。 相手の顔をよく観察すべきなのは、感情は顔にいちばん表れるものだから。喜んでくれているのか、怒っているのか、不安なのか、リラックスしているのか、といった重要な手がかりは、顔を見ていればわかるのです。そのため著者は、「交渉がうまい人は、相手の感情をきちんと判断できる人」だとも主張しています。 米国カリフォルニア大学のヒラリー・エルフェンベインは、164人の大学生に、感情を正しく見抜けるかどうかのテストを受けてもらいました。さまざまな表情をしている男女の42枚の写真を見て、「悲しみ」「喜び」「驚き」といった感情のどれに当てはまるのかを答えるというテストです。 そのテストが終わったところで、82組の同性のペアを作ってもらい、電球の売り手と買い手に分かれて交渉をしてもらいました。その結果、表情から感情を正しく見抜ける人ほど、交渉の成績もよくなることがわかったのです。(190~191ページより) 相手の顔をきちんと見ていると、相当に多くの情報を得ることができるはず。こちらが要求を出したときに相手の顔を見ていれば、「いきなり大きな要求を突きつけたのでムッとしているようだ」とか、「だいたい満足のいく要求だったみたいだ」というようなことがわかるわけです。それこそが、絶えず相手の顔を見ていることのメリット。 もちろん、不安を感じているときに指先が震えたり、嫌悪を感じているときに上半身を後ろにそらすなど、顔以外にも感情は表れることがあります。しかし、そういうところまで意識を向けるのは、交渉の熟練者になってからでOK。まずは相手の顔だけに焦点を当てるようにしたほうが、相手の感情をきちんと判断できるのです。 「相手の顔をまじまじと見つめるのは失礼ではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、睨みつけているわけではないのですから心配は不要。穏やかな微笑を浮かべるようにすれば、相手は決して不愉快な気持ちにはならないはず。そういう意味では、笑顔を絶やさないこともポイントになるようです。(190ページより) 仕事のみならず、日常、コミュニケーション、子育てなど、さまざまな領域に関するライフハックが凝縮された一冊。気になったこと、できそうなことを実践してみれば、よりよい毎日を実現できそうです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 総合法令出版
印南敦史