移住者の新幹線通勤に補助金、長野・佐久市がスタート。田舎暮らしや二拠点生活、リモートワークをサポート
ほどよく田舎でほどよく便利な面としては、「日常生活に必要なお店がそろっています。生まれ育った東京圏に比べると遊ぶ場所は確かに少ないですが、子どもが生まれてからにぎやかなスポットに行きたい欲が減ってきましたし、仕事ついでに家族で東京圏に遊びに行けるので不満はありません。自分よりも自然大好きな夫も、移住計画には大賛成してくれました」(松本さん) 都市部で暮らし、アウトドアを楽しんできた松本さん一家にはちょうどいい立地が佐久市だった。
「月2万円は大きい。新幹線代の補助は移住を後押ししてくれました」
移住先を長野県に定めた松本さん夫妻は、各自治体の移住支援策の比較も重ねたそう。 「移住支援施策は自治体によってそれぞれですね。佐久市の『移住検討者滞在費補助金』は訪問してみたときの交通費や宿泊費を補助してくれるもので、しっかり使って家探しや自然環境の確認をしました。 リモートワーカー移住の支援面では、長野市に家賃補助、佐久市に新幹線通勤補助がありました。どちらも月に最大2万円補助してくれる制度で、移住を実行する後押しになりました。結果、長野市よりもほどよく田舎な佐久市を気に入り、タイミングよく家も見つかったので、移住することを決めました」(松本さん) 申請した新幹線通勤補助金も無事受理されて、今後2年間は毎月最大2万円の支援を受け取れる予定だ。 「生活費全体では、食費と住居費が下がっても光熱費と交通費が上がるからあまり変わらないかも。今までかからなかった新幹線代を負担してくれるのはとても大きいです。 一方で「『UIJターン就業・創業移住支援事業補助金』は調べていたのに申請できなくて衝撃でした。4月スタート後すぐに予算枠がなくなったみたいです。我が家は18歳未満を含めた3人なので200万円を申請可能だったんですよ。来年度も対象者だと思うので、再申請チャレンジするつもりです!」(松本さん)
新居は7DK。使いきれていない部屋はのちのち子ども部屋やワークスペースに
移住先の住まいは賃貸の中古一戸建て。佐久市の空き家バンクや不動産会社に依頼をして見つけ出した。「移住者が集まるリノベ済み団地も見ましたが、子どもが走り回れる庭が欲しいな、と思っていました。空き家バンク経由でタイミングよく紹介してもらった“昭和の広い一戸建て”を、ひと目で気に入りました。古いけど貸主が綺麗に住まわれていて、とても気持ちいい空間です」 以前より3倍近く広くなったのに家賃は下がった。「1階に二間続きの広い和室があって、ほぼそこで過ごしています。2階にも2部屋あるのですが子どもも小さいし、まだ使いきれていません」