“ハリス離れ”なぜ起きた? 完敗の背景に、支持者が違和感を覚えた「一軍女子感」「女子会っぽさ」
■女性初の大統領はいつ生まれるか
イメージの面で、ハリス氏はどうすればよかったのか。冷泉氏は過去の候補者についても例に出しながら振り返った。「女性だと8年前にヒラリー・クリントンさんが同じような形で負けたが、あの時はお母さん的というか、『私が国を指導する』という、ちょっと上から目線的なものがあって、若者から反発を食らった。今回のハリスさんはやっぱりすごくソフトだったし、等身大の女性像を出すことに成功し、かなり広範囲に女性票を固めた。ただ問題は、男性の方がそれに対して反発する、ジェンダーの争いは出てしまった」。また、ブランドン氏も「どうやら黒人系の方々、アフリカ系アメリカ人の方々の文化には、女性が男性に仕える感覚がある。いわゆる昭和の親父みたいな感覚だ。黒人男性からすると、女性が上に立つことが生理的によろしくないというか、喜べない人がいるらしい。黒人男性が黒人女性をトップに選ぶのは難しいかも、というのを聞いてびっくりした」と添えた。 ここで話題になったのは、同じ黒人として、一時は大統領候補になるのではと言われたのが、バラク・オバマ元大統領の妻、ミシェル・オバマ氏だ。ミシェル氏であれば、女性初の大統領になれたのか。冷泉氏は「ミシェルさんの場合だったらもう本当に苦労している人だし、それから純粋なアメリカ黒人で、いわゆるその奴隷時代を苦労した人たちの子孫。彼女は基本、肝が据わっていて、本当に優しい言い方をしないと届かないならそれができる人」と高く評価する。ただし、それゆえに立候補しないともいう。「同時に彼女がすごく何か背負っているものの大きさみたいなことに気がついていて、なおかつ国を引っ張っていくことの難しさも知っている。それゆえに彼女はやっぱり出ない。自分が出ることによって、もしかしたらうまくいく部分も大きいかもしれないが、より何か一部の人がひねくれて、ものすごく反発する部分もある。夫が8年間、これだけ国に自分の人生を捧げ、プラスアルファで自分がそれをやった時、本当に自分にとっても国にとっても差し引きでプラスなのかなと考えると、やっぱり出ない。ただ逆に彼女だったら(大統領は)できると思う」と語った。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部