韓国国会周辺では歓声「民意は生きている」 女性のデモ参加目立つ
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案の採決が行われた14日、国会前では尹氏の弾劾を求める大規模デモが開かれ、多くの市民が集まった。同日夕方に訴追案が可決されると、市民からは歓声があがった。 【写真特集】「尹錫悦退陣」と書かれたビラを手に弾劾訴追案の可決を求める市民ら 飲食店経営者の金志明(キム・ジミョン)さん(59)は「本当に良かった。まだ民意が生きていると感じた」と述べた。可決の様子を中継で見た大学生の鄭芝祥(チョン・ジサン)さん(22)は「本当にうれしいがまだ、多くの課題が残っている。崩れた民主主義を再建できるよう、皆で努力しなければならない」と語った。 韓国メディアによると、国会周辺には約20万人(警察当局推計)が集まった。軍が民主化デモを弾圧した光州事件(1980年)の現場から朝8時発のバスに乗ってソウルに駆けつけた人もいた。光州市の大学生の女性(26)は採決に先立ち、「国会を掌握しようと兵士を動員したのは明白な内乱行為だ。このような人をこれ以上、大統領の座に座らせることはできない」と強調した。 今回の弾劾訴追を巡るデモでは、若い世代を中心にアイドルのコンサートで使われるペンライトを、K-POPに合わせて振る姿が注目された。 聯合ニュースは、7日に行われた1回目の弾劾訴追案採決の際に、国会周辺に集まった群衆の約2割が10~20代の女性だったとするソウル市のデータを伝えた。「政治の無関心層と思われていた10~20代では異例の現象」とし、ペンライトなどの「新しい集会文化が多くの若い女性を引きつける起爆材になった」と評価した。【ソウル日下部元美】