【なでしこ】新監督に53歳デンマーク人のニルス・ニールセン氏「新たな刺激と目線を」年内に決着
日本サッカー協会(JFA)理事会が12日、都内で行われ、不在だった女子日本代表なでしこジャパンの新監督にデンマーク人のニルス・ニールセン氏(53)が承認された。史上初の外国人指揮官となる。これまでデンマークやスイスの女子A代表監督を歴任してきた。 【写真】デンマーク人のニルス・ニールセン氏 なでしこジャパンは今夏のパリ五輪(オリンピック)で8強に終わった後、池田太前監督が退任。新監督招聘(しょうへい)が難航し、東京・国立競技場で10月に行われた韓国との親善試合では、元指揮官の佐々木則夫女子委員長が監督代行を務めていた。 人選を進めてきた佐々木委員長は、先週末に渡欧して直接面談を実施。「伝える能力の質が高い。なめらかな指導をしてくれる。僕以上の包容力のある話し方をする。それも決め手」とパーソナリティーも高く評価した。自身がなでしこを率いていた2013~15年にデンマークを率いていた同監督と対戦経験があり、ボールを丁寧につなぐスタイルを志向していた印象もあるという。 日本サッカーへの理解も深い。直近まで、MF長谷川唯やGK山下杏也加、DF清水梨紗、MF藤野あおばが所属する女子マンチェスター・シティーのテクニカルダイレクターを務めていた。現場に戻りたい思いでその職を辞し、なでしこジャパンにたどりついた。 27年女子W杯ブラジル大会、28年ロサンゼルス五輪に向けては「優勝を目指してやりましょう」と目標を共有している。契約年数などは今後詰めて、サインを結ぶ。18日に都内で会見を予定している。 【ニルス・ニールセン監コメント】 「なでしこジャパンの新監督にご指名いただき、非常に光栄で誇りに思います。宮本会長、佐々木委員長とは、これまでの選考プロセスにおいて、なでしこジャパンをどのように次のレベルに引き上げるかについて非常に建設的でプロフェッショナルな話し合いができたことに感謝しています。高い技術を備え、才能にあふれた日本代表選手たちと活動できることを大変うれしく思いますし、これまでの指導者の皆さんの素晴らしい業績に自分がこれからさらに積み上げていけることにワクワクしています」 「私の就任により、新たな刺激とアイデアを新しい目線をもってチームに注入し、選手やスタッフと協力して成功に導き、タイトルを獲得したいです。日本はこれまで長きにわたり世界のチームに刺激を与えてきました。今後もさらにそのような状況を続けられるよう、全員でハードワークしていきたいと思います。ファン、パートナー、メディアの皆さんも引き続き、新生なでしこジャパンを応援いただけるよう、よろしくお願いします」 人選に際しては、佐々木委員長は1カ月前の理事会後に「進行的には終盤にはきているが、まだ決定していない。年内に決めて、年明けの1月には方向性を示さない」と年内決着を目指していた。海外の指導者を中心に最終候補を絞っていたことも認めていた。 チームは来年2月に米国で開催される国際親善大会シービリーブスカップ(シービリーブス杯)に参加することが決定している。5度目の参加で2月20日にヒューストンでオーストラリア、23日にグレンデールでコロンビア、26日にサンディエゴで米国と対戦する。【佐藤成】