【高校サッカー選手権】日体大柏FW吉川友翔が交代出場から3分後激闘に終止符を打つ貴重な決勝点!
10月27日、第103回全国高校サッカー選手権千葉予選の準々決勝が行われ、中央学院と日体大柏が対戦した。 【フォトギャラリー】中央学院 vs日体大柏 そこかしこで激しいバトルが繰り広げられ、両者ともに譲らず、80分を終えた時点で、2-2の同点。10分ハーフの延長戦にもつれ込み、貴重な決勝点を叩き込んだのは日体大柏のFW17吉川友翔(3年)だった。ゴール前での混戦のなか、こぼれ球にいち早く反応し、左足を振った。90+1分、交代出場から3分後のことだった。 「前半は自分たちがやろうとしていることができず、受け身に回ってしまいました。ハーフタイムで、もう一度、どこに相手ボールを誘導したらいいか、ボールを奪ったら、どうビルドアップしていくか。そこを確認しました。最後まで気の抜けないタフなゲームになりましたが、何とか勝つことができ、うれしく思います」(日体大柏・根引謙介監督) 先制したのは中央学院だった。前半終了間際の39分、FW9木村海翔(3年)がPKを冷静に決めてみせた。自慢のドリブルとショートパスを駆使し、立ち上がりから日体大柏を自陣に押し込み、ついに均衡を破った。 ところが、後半に入ると、試合の様相が変わる。49、66分にFW14小泉ハーディ(2年)が連続ゴールを奪い、日体大柏が逆転に成功。底力を見せた形になった。 だが、69分に中央学院のMF10手塚柑汰(3年)が見事なカウンターアタックを発動した。ドリブルで一気に持ち上がり、左に流れたMF15安孫子司(2年)とのパス交換によって中央突破し、最後は利き足の左足シュートで仕上げた。 千葉県U-18リーグ1部に属する両チームは、お互いにプレースタイルを熟知している間柄だ。10月5日に行われたリーグ戦でも激しい打ち合いを演じ、4-3で日体大柏が勝利している(もう少し付け加えるならば、今年度の両チームの対戦成績は日体大柏の2勝)。 「相手のいいところを徹底的につぶしながらも、いかに自分たちのよさを出し切れるか。そこがひとつのポイントでした」(根引監督) 長短のパスを織り交ぜ、テンポよく、ボールを動かし、相手ゴールを目指すスタイルが印象的な日体大柏だが、それだけではなく、球際での粘り強さ、激しさも見逃せないだろう。一瞬たりとも目が離せない技巧派軍団の中央学院との激闘を、最終的に制したのは日体大柏だった。 11月3日、準決勝の相手は昨年度の決勝で敗れた市立船橋。借りを返すチャンスがきた。「今日とはまた違ったゲームになると思いますが、しっかり準備をして臨みたい。望んでいた相手でもありますし、楽しみです」と、根引監督は意気込んだ。 (文・写真=小室功)