ハーバード卒のバイオリニスト・廣津留すみれが子育てするなら? 「小さいうちは私から英語で話しかけない」
小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(31)。その活動は国内外での演奏だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、同世代の女性たちから複数寄せられた「子育て」に関する質問に答えてくれた。 【写真】廣津留さんの別カットはこちら! * * * ■Q. ご自身が子育てをするとしたら、どんなことを教えてあげたいですか? させてあげたい習い事は? また、どんな環境で、どのように育てたいですか? A. 実際に自分に子どもがいるわけではないので、あくまで仮定というか想像ですが……、英語は絶対やりたいですね。ネイティブの発音やスピードに慣れてほしいので、最初は英語の絵本の読み聞かせテープをかけたり、英語のニュースを流したりと、たとえ内容がわからなくても耳が英語に慣れるような環境にすることから始めると思います。でも、日常生活の中で私から英語で話しかけることは避けるかな。子どもが小さいうちは混乱すると思うので。日本語の力をつけて日本人としてのアイデンティティーもしっかり持ってほしいし、私自身、日常生活に英語が入ってくるのは大学からでも問題なかったんですよね。 習い事に関しては、それぞれ向き不向きがあるので、いろいろ試して子どもに合っているものを見つけると思います。バイオリンやピアノなど音楽はもちろん、サッカーや水泳などのスポーツもいいですよね。ダンスは音楽やスポーツにも関係するし、リズム感が鍛えられてよさそう! トライアルを通して子どもの得意なことを見極められるとベストですが、全てを試してみることは不可能なので、子どもが興味を示すことなど優先順位をつけてピックアップしていけるといいですよね。 学校選びも子育てを考えるうえでは大事になってくるのでしょうけど、私は小学校に関しては、さまざまなバックグラウンドの子どもたちが集まる国内の公立校への進学は良い選択肢なのではと思います。私自身が公立の学校に通ってきたからというのもあるのですが、例えばインター校など英語が公用語になっている環境の学校だと、みんなが英語を話すことを当たり前のように捉えてしまいそうだなと。また、似たような家庭環境や価値観の子どもたちが集まる私立校だと、考え方や物事を見る視点がどこか固定されてしまいそうな気がして……。世の中にはいろんな人がいて、多様性に満ちているということを小さいときの環境で体験することが大事だと思うんです。 高校や大学などの高等教育については、国内でも海外でも学校選びは本人の意思を尊重したいです。ただ、選択肢を知らないのはもったいないので、良さそうな学校の情報はどんどん提供してあげたいなと思います。子どもがやりたいことを遮らずに、常に後押しできるようなスタンスでいたいですね。 構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS