【アルテミスS/トレセン情報】マイエレメントの潜在能力の高さを示す 見た目と時計の〝ギャップ〟
[GⅢアルテミスステークス=2024年10月26日(土曜)2歳牝、東京競馬場・芝1600メートル] 18日の1週前追い切りで(栗東ウッド=80・2―11・2秒)自己ベストをマークしたマイエレメント(福永)は23日に栗東坂路で最終追い切りを消化。ノビノビとした動きで5ハロン53・7―12・4秒を計時した。 福永調教師は「先週しっかりやっているので、坂路でサラっと。ストライドが大きいから、見た目にもゆっくりだけど時計が出ている」と同馬のポテンシャルの高さを評価する。 敏感なところがあり、新潟芝外1600メートルの初陣では口を気にしながらのレースとなったが、今回は口向きが良化。1週前追い切りに騎乗した岩田望も「乗りやすかった」と感想を明かしたという。デビュー時よりもつくり込まれており、体が軽くなっている。同調教師は「まだちょっと身になっていない部分はあるけど動きは素軽い。前回よりいい状態で使えるかな」とデキの良さに笑みを見せる。 気性について、担当の臼井助手は「基本はおとなしい。でもやっぱりスイッチが入るとガーっとなるところがあります」とこの時期の牝馬らしい一面があることを明かす。この中間は休み明けということもあって、運動中にうるさいしぐさを見せていた。自身も同馬に稽古をつけてコンタクトを図っている福永調教師は「(うるさいのは)いいことだからね。反応の良さにもつながったりするから、そがない程度に」と語る。「騎乗者のコントロール下にいるなかで反応の良さを見せられるようにつくっている」と調整の意図を説明した。 毎年、出走馬から多くの活躍馬を輩出しており、GⅠ戦線に直結している同レース。今年も強力なメンバーが揃う中で実力を測るために、この舞台に駒を進めてきた。トレーナーは「今回は頭数もいっぱいいるし、先行馬もいるから競馬はしやすいと思うけど、なんといっても2戦目だからね。初戦といろいろと違う面も出るかもしれないし、そのあたりを見つつ、いい形で競馬をしてくれたらいいな」と見通しを口にした一方で、臼井助手も「今回の一戦でどれくらい通用するか。物差しになると思います」と力を込める。 結果次第では、2歳GⅠという選択肢も出てくる。厩舎初の新馬Vを果たした期待馬の2戦目に注目が集まる。
佐藤 美生