不動産会社の経営者が教える! 早めにやっておきたい「実家売却時の備え」
「空き家になっている実家を手放したい」「実家じまい、何から手をつければ…」。そんな悩みがあるかたも多いのではないでしょうか? 『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、実家の土地(不動産)を売却する際の注意点について教えてもらいました。ぜひ参考にしてください! 【保存版】帰省時に悩んだ人も早めにチェック!「実家売却時の備え」 まとめはコチラ
POINT1 親が元気なうちに話し合っておく
現金とは違い、不動産は物理的に分割できない資産のため、兄弟姉妹間で遺産相続トラブルが起こりやすいものと言えます。 とくに、複数人の共有名義で相続した土地は、売却して現金化したい人と、そのまま保有しておきたい人とに意見が割れた場合、放置されて空き家になってしまう可能性も。 そうならないためにも、親が元気なうちに「誰がどの資産を引き継ぐのか」「将来的に、実家をどうするのか」など、兄弟姉妹を交えて話し合っておくことが必要です。 その話し合いを経て、親に遺言書を作成しておいてもらうことこそ、大きなトラブルを回避する最善策と言えるでしょう。 ちなみに土地を分割する方法として、土地をそのまま分ける「現物分割」、土地を売却してお金に換金して分割する「換価分割」、家を相続した人が他の相続人に金銭を払う「代償分割」、相続人で共有する「共有分割」などがあります。 「実家の土地は兄弟に任せたい」などという場合、民法では「相続開始から3か月以内」に相続放棄をしなければならないと定めています。 短期間で手続きを進めなければならないため、事前に相続放棄についても調べておくと安心です。
POINT2 すぐに人が住める状態にしておく
地方では戸建てを持つ人が多く、親から受け継いだ家にそのまま住み続ける人も多数いるため、土地は売れづらいです。 また田舎に行けば行くほど土地の価値は低くなり、なかなか買い手がつかないのが現状です。 そんななか実家の売却を検討するのであれば、「上物」が大切。購入を希望した人が手を加えることなく、すぐに住める美しい状態であると売却しやすくなります。 たとえば1981年以降の新耐震基準を満たしていない物件であれば耐震工事を済ませてある、老朽化した水回りなどの設備がリフォームで新しくなっている、クーラーなど比較的新しい家電が付いている、伸び放題だった庭の草木が手入れされている、など。 耐震工事やリフォームが施されていない物件は、すぐに住むことができないため、敬遠されがちです。 とはいえ手をかけた額より売値が下回っては元も子もないので、費用対効果を見据えて計画を立ててください。 なお長い期間、空き家だった物件は工事費もかさむため、相続後なるべく早めにリフォーム等に着手し、売りに出すことをおすすめします。