プーチン大統領側近が中国訪問…ロシアと中国それぞれの事情とは?
ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、「かなりの数の北朝鮮兵」がロシア軍の戦闘に加わっていると述べた。ゼレンスキー大統領は、「ロシア兵の弾よけ」とも言っている。ロシアにとって、北朝鮮の兵士は「欠かせない存在」になりつつある。 一方で、ロシア政府は自国の兵を募集する際の金銭的待遇をアップさせている。長引く戦闘で、兵隊の数が足りなくなっているから、一方で北朝鮮兵を受け入れ、また一方で待遇改善を進めているとの分析がある。 その待遇改善を含め、自国の兵士との契約を統括するのが、「安全保障会議の副議長」メドベージェフ氏とされる。メドベージェフ氏は今年1月から7月までの半年余りの間に19万人を兵士として契約したと明らかにしている。 言うまでもなく、中国は北朝鮮をさまざまな形で支援してきた。それもあって、ロシアと北朝鮮の最近の連携について、中国はよい感情を持っていない。メドベージェフは習近平主席らに、ロシアが招き入れた北朝鮮兵士の件について説明したのではないだろうか。 ■習近平氏の会談での発言を読み解く さて、その会談はどのような内容が協議されたのか? 報道された表の部分だけだが、習近平氏はウクライナ戦争を「ウクライナ危機」と表現して、次のように評した。 “「『戦火が戦場から外へ拡大することもないこと、戦闘が激化しないこと、そして外からの攻撃があってはならないこと』。中国は、この3つの原則を遵守してきた」” ここで考えたいのは2点。ひとつは、依然として「ウクライナで起きていることは戦争ではない。危機だ」という位置付け。もう1点は「外からの攻撃があってはならないこと」と指摘している点だ。 つまり「戦争ではない、この危機はロシアとウクライナの当事者の間で解決すべき」というスタンス、そして「外から攻撃をするな」というのは、NATO(北大西洋条約機構)をはじめ、「部外者が『口出しするな』」という意味と受け取ってよい。