スシライス、バナナと合わせる…日本と全然違う!?世界の「お米」事情について調べてみました
日本米とイタリア米の特徴の違いとは
-次に、リゾットなどの料理に使うお米の種類について教えてください。 西條さん:「リゾット用の品種は、日本のお米と同じジャポニカ種(短粒種)やその亜種でジャバニカ種に分類されるお米です。代表的なイタリアの品種は、リゾット用で最もポピュラーなカルナローリ種はじめ、アルボリオ種、ローマ種、ヴィアローネナーノ種などがあり、それぞれ少しずつ大きさや歯ごたえが変わります。リゾットを作る時、お米に出汁を吸わせることが大切ですが、水分を含んでも形が崩れにくいように日本米よりも粒がやや大きめです」 -いくつもの品種のお米が使われているんですね。
西條さん:「日本米と大きく異なるのはでんぷん質の部分で、日本米よりも粘り気が少なく、調理後も歯ごたえを残す(アルデンテに仕上げる)ことができます」 -パスタ同様、リゾットもアルデンテに仕上げるのですね!日本米と同じ短粒種に分類されているお米ですが、日本米と違う点もいろいろとあることがわかりました。日本のご飯とは、調理方法はどのように違うのでしょうか? 西條さん:「日本のお米の調理法との主な違いが3つあります。1つめは洗わずに直接炒めること。2つめは、炒めた後に『ブロード』という出汁を吸わせて調理・仕上げをしていくこと。3つめは歯ごたえよくアルデンテに仕上げるということです」 -日本の「炊く」調理方法とはだいぶ違うのですね。 西條さん:「イタリアのお米は日本のように『炊く』ことを想定していないので、今お話ししたでんぷん質の違いがイタリアの調理法にフィットします。日本では炊いた後のお米の粘り気が重要になってきますが、イタリアは出汁を含ませていくことが大切なので、お米自体は粘り気が少ない方が好ましいんです」 -お米に粘り気がないほうが、出汁の含みがよいということですね。イタリア米の特徴を活かす調理方法だということが、お話からよくわかりました。
地方ごとの名産を使ったリゾットがある
-イタリアのリゾットには、どのような種類がありますか? 西條さん:「シンプルにお米の歯ごたえを味わえるのは、サフランで香りを付けてチーズで和えた黄色いミラノ風リゾットや、パルメジャーノチーズで和えたリゾットです。それらに季節の食材を混ぜることもあります。各地方で名物リゾットも多く、例えばヴェネツィアではイカ墨のリゾット、南イタリアでは海老や貝の出汁をふんだんに使った魚介のリゾットがおすすめです。また赤ワインの産地では、赤ワインを加えたリゾットも地元のレストランで食べられます」 -チーズやワインなど、日本でイメージするイタリア食材を使ったリゾットがポピュラーなのですね。赤ワイン入りのリゾット、どのような味わいなのか興味があります。他にはどのようなリゾットをご存知ですか? 西條さん:「秋限定のメニューで、フレッシュポルチーニ茸のリゾットや白トリュフのリゾットは格別です。特に米の産地に近いピエモンテ州の赤ワイン(バローロやバルバレスコ等)と合わせるとすばらしいハーモニーとなります」 -秋限定のキノコのリゾット、おいしそうですね!リゾットについての面白いエピソードや豆知識があれば、教えていただけないでしょうか。 西條さん:「白トリュフの季節(9-12月)には、白トリュフを1グラムいくらの量り売りでリゾットに振りかけてくれるレストランが多くありますが、量り売りと知らずに、ストップをかけずにどんどんかけてもらうと会計の時にとんでもない値段になるということが起きます。最初に『何グラムかけて』と言って、足りなければ後から増やしてもらうのがおすすめです」 -白トリュフの量り売り!そんなシステムがあるんですね。知らずにレストランに入ったら、確かにたくさんかけてもらってしまいそうです。これからイタリアに行くことがあれば、ぜひおすすめの方法でオーダーしたいと思います。