ウォルマート、医療施設の増設計画白紙に-オンライン診療も停止
(ブルームバーグ): 米小売り大手ウォルマートは低コストで医療サービスを提供するヘルスセンターについて、コスト増大と払い戻し手続きに伴う問題を理由に増設計画を白紙に戻した。
30日の発表によると、ウォルマートは5州で開設済みの51のヘルスセンターを閉鎖し、オンライン診療事業も停止する。ヘルスセンターはウォルマートの大型店舗に隣接し、一般医療から歯科診療、精神医療に至る幅広いサービスを顧客に提供できるよう設計されていた。
同社は2019年にこの取り組みを開始し、昨年の時点では全米に75施設余りを2024年内にオープンする計画を明らかにしていた。
この事業への投資額やこの事業から得られた収益について、ウォルマートは開示を控えている。
閉鎖の具体的な日程は明らかにされていない。今回の戦略転換によって何人の雇用が失われるかについて、同社は明言を避けたが、一部の従業員が他の部門で就労を継続することを期待していると述べた。
米消費者の医療支出は全米で3兆6000億ドル(約566兆円)規模とされる。ウォルマートは近年、この市場でのプレゼンス拡大を目指して医療やウェルネス関連のビジネスを拡大してきた。今後はこうしたビジネスの重点をあらためて、店舗内に構える約4600の薬局と、眼鏡やコンタクトレンズを扱う3000余りのビジョンセンターに置く方針だという。
原題:Walmart Closes Health Centers, Telehealth Unit Over Rising Costs(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Fiona Rutherford, Jaewon Kang, John Tozzi