毎日キャンプ気分に!薪ストーブのあるおしゃれな暮らし3選。空間に上手に取り入れる方法もプロが解説!
薪ストーブの基本情報。メリット&デメリットは?
薪を燃やすことで部屋を暖めるストーブのことを「薪ストーブ」と呼びます。ゆらめく炎を眺めることができるデザインが多く、暖房ツールとしてだけでなくインテリアのアクセントとして取り入れる人もいるアイテム。直火を使った調理もできる薪ストーブであれば、家にいながらキャンプ気分も味わえます。 薪ストーブを設置する際は、煙を排出するための煙突が必要に。「対流式」や「輻射式」など、いくつかの種類が用意されています。 一方、「暖炉」は薪ストーブと異なり、壁に設置された状態(ビルトイン)のものを指します。設置面積が大きく、色やデザインによって部屋の雰囲気を左右することも。 薪ストーブのメリットといえば、効率良く家全体を温めることができる点でしょう。風が出ないためエアコンが苦手な方でも心地よく過ごすことができます。さらに、天板でお湯を沸かす、炉内で煮込み料理をするなど、調理向きのタイプも。つくり付けの暖炉に比べて、レイアウトも比較的自由度があることも魅力の1つです。 一方、デメリットは着火してすぐに暖まらない点。約1時間ほどかかるため、寒冷地の別荘などの場合は、他の暖房器具との併用がおすすめです。また、薪ストーブはしまったり、移動したりはできません。夏の過ごし方も想定したうえで設置場所を決めましょう。 薪ストーブや暖炉を部屋のインテリアとなじませ、暖房器具としても効果的に使うためには、設計段階できちんと計画を練ることが重要です。それでは、住宅を数多く手掛ける建築家はどのようなプランを導き出したのでしょうか?屋内・屋外問わず、薪ストーブのある素敵な空間をご紹介。薪ストーブを取り入れる際の参考にしてみてください。 【写真】建築家・佐藤欣裕が自邸で実践したサステナブルな設計ポイント9
サステナブルで心地よい暮らしに薪ストーブは欠かせない
寒さの厳しい秋田県大仙市。小川のほとりに立つ建築家・佐藤欣裕さんの自邸では薪ストーブが大活躍しています。というのも、この家は電気会社からの電力に頼らず、生活エネルギーを自給自足する「オフグリッド」の家。真にサステナブルな暮らしを実現しているのです。 大きな窓ガラスから明るい光が差し込むリビングにある薪ストーブですが、実はこれは2代目。当初は、温水機能付き薪ストーブを置いていましたが、それ自体に電気が必要なことから、シンプルなタイプへと入れ替えたそう。 「イエルカストーブ 桃」というシリーズの薪ストーブで、信州に暮らす薪ストーブ職人イエルカ・ワインさんがつくりました。 「二次燃焼機能があったり、鉄板が通常タイプよりも厚くなっていたりとユニークな薪ストーブです。一度部屋が暖まれば、断熱と蓄熱のおかげで温度が持続するので、ほかの暖房は必要ありません」と佐藤さん。 サステナブルかつ心地よい家を成立させるために、窓にはトリプルガラスのサッシを取り付け、壁と天井に十分な断熱材を入れ、さらに石壁や土間など蓄熱性の高い素材を内装に使用。薪ストーブからの熱や差し込む自然光を部屋に取り込み、穏やかな温かさをキープしています。 「冬でも薪ストーブかPSか床暖、どれか1つで十分です。 建築の断熱がしっかりしていれば、設備はシンプルでいいと学びました」と佐藤さん。 電力に頼らない暮らしを寒冷地で実現するために、住宅の機能を高めたうえで薪ストーブや太陽光など自然の力を活用。さらに暑さ・寒さなど外の環境と呼応するように小さな工夫を重ねる佐藤さんの暮らし。人間らしい豊かな感性と生活を取り戻すことがサステナブルへの近道だということを教えてくれます。