シャープ、個性強めな「19万円のカメラスマホ」を投入、両輪戦略で国産スマホメーカーの活路を開く
「最先端のカメラ技術を攻めていくうえで、この製品は非常に重要な商品だ」。事業本部長の小林氏はR9 proの意義をこう説明する。その価値は単純な販売台数や収益性だけでなく、より大きな戦略的意味を持つという。 実際、カメラや物理性能など、お手頃なスマートフォンの性能が底上げされてきた現在、フラッグシップモデルの存在意義が改めて問われている。シャープはその答えを「カメラを超えること」に見いだした。ライカカメラ社との度重なる議論を経て到達したその解は、本当の意味でメインとして使えるカメラと、本格的でありながら直感的な操作性の両立だった。
ここで開発された技術は、後に手頃な価格帯の製品にも展開される。AQUOS R9 proの「スーパーフラッグシップ」という位置づけは、単なる最上位モデルを意味するのではない。むしろ、シャープのスマートフォン技術全体を牽引する開発の先端としての役割を担っているのだ。 ■独自路線を行くsenseシリーズ AQUOS R9 proと同時にミッドレンジ機の「AQUOS sense9」も発表された。1000万台の販売実績を持つAQUOS senseシリーズの新モデルだ。
R9 proが先端技術に関心を持つアーリーアダプター層をターゲットとするのに対し、sense9は幅広いユーザー層に向けた「ちょっとアガる、どまんなかスマホ」を目指す。約166gという軽量ボディに5000mAhのバッテリーを搭載し、画面は独自開発の省電力なPro IGZO OLEDディスプレイを装備。「このハンディサイズで電池持ちがやたらにいいものがほかにはない」(小林氏)という、AQUOS senseシリーズが確立した独特のポジションの踏襲を狙う。
デザイン面でも実用性と遊び心を両立する。6色のカラーバリエーションを展開し、その中にはカメラ部の色が本体と対照的なバイカラーも用意。純正ケースとの組み合わせで36通りの選択肢を提供する。Androidスマホの中でも国内トップクラスの販売台数を誇るsenseシリーズならではの展開だ。 ■ブランド刷新がもたらした自信 AQUOSスマートフォンは今夏、大きくブランドイメージを刷新している。普及版のハイエンド機「AQUOS R9」と3万円前後のエントリー機「AQUOS wish4」はそろってデザインオフィスのミヤケデザインが監修する新デザインに刷新した。