多くの観客の前で２体の龍が躍動した五嶋町の「龍踊」＝長崎市、諏訪神社

　長崎市上西山町の諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」が７日、開幕した。起源とされる１６３４年の奉納踊りから３９０年。同神社では、時折小雨が降る中、今年の踊町７カ町が、国指定重要無形民俗文化財に指定されている奉納踊りを披露し、桟敷席や長坂を埋め尽くした約２５００人の観衆が「モッテコーイ」「ショモーヤレ」と喝采を送った。 　同神社の踊（おどり）馬場は午前７時、興善町の格調高い演目「本踊　石橋（ほんおどり　しゃっきょう）」で幕開け。八幡町が「山伏道中・剣舞・弓矢八幡（はちまん）祝い船」で勇壮な剣舞や船回しを、万才町が「本踊」でにぎやかな舞を披露した。西濵町の「龍船」は、今回初めて二胡（にこ）演奏を盛り込み、美しい音色が観衆を魅了。続いて、麹屋町が「川船」の豪快な船回しを見せ、銀屋町は山飾（だし）を投げ上げる「鯱（しゃち）太鼓」で会場を沸かせた。五嶋町の「龍踊」は、躍動感あふれる２体の龍が天高く舞った。 　このほか、同神社では流鏑馬（やぶさめ）神事も奉納。午後は諏訪、住吉、森崎のみこし３基が元船町のお旅所へ向かう「お下り」があり、今年の神輿守町（みこしもりちょう）「神輿守小島連合会」の担ぎ手が雨の中、みこしを運んだ。各踊町の傘鉾（かさぼこ）が連なって歩く「傘鉾パレード」は中止した。 　９日まで、同神社や鍛冶屋町の八坂神社、賑町の中央公園、お旅所での奉納踊り、市中心部での庭先回りがある。