ラーメン業界から悲鳴…「円安から抜け出すには」解決策の鍵は《コスト削減》から《人・研究・設備への投資》
【平】攻めの姿勢で設備投資を行う元気な企業があります。 時津町にある岩永工業。創業からおよそ80年、国の内外でビルの柱や梁などを製造しています。効率化を進めて生産量を増やすため、去年新しい工場を町内に建てました。 ■未来構築には投資は必要不可欠 岩永工業 岩永洋尚社長: 「未来を構築していくためにはどうしても投資っていうのは必要不可欠というか必須条件になるかと思うんですよね。シェアを握りに行くにはそういった投資を進めていかないとどうしても競争力の低下につながるんじゃないかなという」 以前から稼働している本社工場は鉄骨を中心に製造しています。元々、工場には梁を作る加工場もありましたが、新工場を建てた際に、梁部門を丸ごと移動させました。 空いたスペースに鉄骨関係の部材などを仮置きできるようになったことなどにより、鉄骨を作る工場内の運搬などが効率化され、生産量は10%ほど上がったと言います。岩永工業では梁の製造機能を本社から新工場に移しました。 岩永工業 日並工場 西岡俊一 副工場長: 「こちらに移動したことによって(梁の)生産効率のアップにつながり、作業もスムーズに流れていくようになりました」 福岡で一斉にビルの建て替えが進む現場に製品を納めるなどしていることから、2つの工場は《フル稼働》の状態が続いています。 長崎駅をはじめ長崎署や駅周辺の外資系ホテル、そして長崎市役所にも岩永工業の鉄骨などが使われています。独自の付加価値をつけてきたことの成果でもあります。 岩永社長: 「結構、うちの会社って難しい物件やるの得意なんですよ。特に工場メンバーでも難しい加工の技術、組み立ての技術ってあるんですけど、それが来た時には喜んで研究してますもんね」 【住】研究開発、そして設備投資において世界に後れを取ったとはいえ、県内にもまだまだ製品作りに積極的な企業が多くあることを知り頼もしい気持ちになりますね。 【平】こういった取り組みが広がり、国全体の生産性を向上させること、つまり国力を向上させることが必要です。やはり、円安を自力で修正しようと思うなら、日本の国力を向上させなければならないと思います。
その方法として、これまでは《コスト削減》が中心でしたが、今後は付加価値を高めることを重視し、そのための《人への投資》《研究開発投資》《設備投資》に注力すべきだと思います。時間はかかりますが、日本全体の産官学が協働して、地道にこうした投資を続けなければ、円安傾向からの自力脱出は難しいかもしれません。
長崎放送