【就職人気企業ランキング】7年連続首位は伊藤忠! 任天堂、東宝、集英社…エンタメ企業が席巻<学情>
就職情報会社の学情が2026年3月卒業・修了予定の大学・大学院生を対象にした「就職人気企業ランキング」を発表した。毎年調査している恒例のランキングで、総合1位となったのは総合商社の伊藤忠商事。コロナ禍をはさんで7年連続のトップとなった。コロナ禍以降、エンターテインメント系企業の人気が上昇しており、今回もトップ10に任天堂、オリエンタルランド、東宝、集英社などといった強いコンテンツを持つ企業がランクイン。一方で、これまで人気が低迷していた金融系企業が株高やマイナス金利解除といった追い風を受け順位が上昇。メガバンク3行は22年卒調査以来、4年ぶりにそろってトップ100入りした。また、製造業系の人気も復調している。(あさがくナビ編集長・福井洋平) 【表の続き】<就職人気企業ランキング200>ぜんぶ見る…男女別、文理別、業種別も 伊藤忠商事は7年続けて1位となり、2001年卒以降では最長となる連続トップ記録を更新した。要因のひとつは、伊藤忠商事を含む総合商社の業績が好調なことだ。伊藤忠商事を始め三菱商事、三井物産など大手総合商社5社は投資する案件をより大きな利益を見込めるものに積極的に切り替えることで、23年度決算では過去最高益に近い水準の純利益を計上している。そのなかでも伊藤忠商事は主力事業がいわゆる「非資源分野」で、ほかの4社が資源価格の下落などで前年から純利益を減らすなか、唯一増益となった。アパレルやコンビニ大手のファミリーマートを軸にした生活消費分野が事業の軸で、2024年は不祥事の影響で経営が悪化した中古車販売大手のビッグモーターを買収して再建に乗り出すなど、学生にも親しみのある事業を展開していることも人気の要因だ。午後8時以降の残業を原則禁止する「朝型勤務」など働き方改革にも積極的で、ほかの商社に比べて女性からの人気が高いことも特色となっている。 エンターテインメント系企業の人気は今年も健在。コロナ禍のころは出版社やゲーム会社など自宅でも楽しめるエンタメ系企業の人気が高かったが、コロナ禍があけたことで4位のオリエンタルランド(前回8位)、5位の東宝(前回32位)など外出型のエンタメ企業も人気が上昇した。また、海外でも通用する強いIP(知的財産)を持っていることも人気の要因となっている。3位の任天堂(前回4位)は23年公開の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が世界的に大ヒット。東宝も「ゴジラ-1.0」が国内だけでなく、全米でも邦画実写歴代最高の興行収入となる大ヒットで、両社とも23年度の決算で過去最高の純利益を計上した。集英社やKADOKAWA、講談社といった出版社も、IPを軸として積極的に海外事業を展開しており、以前のような国内むけビジネス中心というイメージから変化してきている。