東武、深夜の越谷駅に「スペーシアX停車」の狙い 終電から始発までの限られた時間に特急・通勤車両6本が集結
■スペーシア Xが初参加 2021年から毎年実施している訓練は今回で4回目となる。最初の2021年にスカイツリーラインで2本、アーバンパークラインで1本の列車が参加。2022年はそれぞれ6本と2本に増やして負荷をかけることにした。2023年は日光線の栃木駅の高架に特急車両の100系「スペーシア」を避難させるなど変化を加えた。 2024年はN100系「スペーシア X」が初めて参加した。2023年に登場した同社の新たなフラッグシップ特急で、7月15日でデビュー1周年。浅草方先頭車の6号車には伝統の個室「コンパートメント」に加えて、プライベートジェットをイメージしたという最上級「コクピットスイート」、東武日光方の先頭車の1号車にはソファを配置した「コックピットラウンジ」など、豪華な仕様となっている。
深夜1時10分ごろ、北春日部駅に最終電車が到着した後に各列車が避難を開始した。北春日部で非常持ち出し備品を積んだ春日部支所所属のリバティは、人気のない駅をどんどん通過しながら都心方面へ向かい、北千住駅付近で方向を転換。下り線を進み、越谷の急行停車線のホームに到着した。スペーシア Xは10分後に北春日部を発車し、リバティの後を追ってきた。 ほかの列車も次々とやってきて、越谷駅構内の下り通過線にスペーシア X、隣の急行停車線にリバティ、ホームの向かいの緩行線にTHライナー用の70090型が並んだ。
■列車の縦列駐車も さらにリバティの後方には南栗橋から参加した地下鉄半蔵門線直通車両の50000系10両が停車。70090型の前後の閉塞区間にはそれぞれ日比谷線直通車両70000系(いずれも7両)の“縦列駐車”が完成した。リバティの車内で出発点呼の訓練を実施した後、各列車は始発電車が走り出す前に車両基地へ帰っていった。 今回は館林乗務管区の運転士と車掌がリバティを運行、春日部乗務管区の助役が出発点呼を担当するなど、普段の乗務で実際にありうるケースを想定した。このほか、アーバンパークラインの七光台からも列車1本を野田市駅の高架に避難させる訓練を実施している。