【兵庫県知事選】争点は“パワハラ疑惑”“公益通報”対応への是非 自民・維新は一枚岩になりきれず…重みを増す「清き一票」の行方
一方、第2会派の「維新」は、参院議員だった清水氏に出馬を打診して候補者として擁立しましたが、清水氏は日本維新の会を離党し、維新としても「公認・推薦は出さない」という決定をしました。 「推薦」と「支援」には大きな違いがあって、党として「推薦」する場合は、表立って候補を全面的に支えるため、他の候補を支援することはできなくなり、場合によってはペナルティが課されることがある、というものです。 「支援」の場合、まさしく“ただの口約束”のようなものですから、「維新」色を薄めることで『票を獲得したい』というような狙いがあるのです。具体的には、「政策が自民と違う稲村氏など他候補を応援しにくい」という方や、「斎藤前知事以外がいいけど、維新という看板は微妙だ」という方たちの票を獲得したいというような思惑があります。
ただ、維新の支援は文字通り“口約束”で、自民のように斎藤氏への支援は禁止をしていません。 それによって、一部では斎藤氏への“隠れ支援”があるのではという懸念も出ています。実際に兵庫県議の一人は、「斎藤氏は実務能力が高く、政策には共感する。本当は支援したいけれども表立ってはできない」いった声も聞かれました。 こういった「本当は斎藤氏を支援したい」といった方に配慮したのではないかという声も県議の中からは聞かれ、維新もまた“一枚岩”になれていない現状を表しています。 県議会で残る会派は共産(2人)と無所属で、共産は唯一、大沢氏への「推薦」を決めましたが、立憲系の「ひょうご県民連合」などと行動を共にすることはできませんでした。
■混迷の知事選…重みを増す「清き1票」
地元の有力者たちにも顔がきく『議員』は選挙戦では重要な存在で、特に自民や公明などは組織戦に長けています。 ところが、今回の選挙では、自民・維新をはじめ、選挙を支える組織がバラバラということは、有権者の『一票の重み』が増すということでもあります。 全国的にも注目が集まる中、17日間にわたる選挙戦の火ぶたが切られましたので、ぜひ兵庫県民の皆さんには、それぞれの候補の主張を聞いて、次の知事候補者への『負託』を行ってほしいと思います。 兵庫県知事選の投開票は11月17日に行われます。 ※10月30日放送「かんさい情報ネットten.」の内容をもとに、告示後の取材内容を加筆しています。