革新的なラストマイル輸送が実現する? メルセデス・ベンツが電動バンとカーゴバイクを連動する物流コンセプトを公開!
メルセデス・ベンツは都市部での配送など、いわゆる「ラストマイル輸送」を新たな水準に引き上げる輸送コンセプトを発表した。同社の電動バン「eスプリンター」と電動カーゴバイクを連携させたもので、技術実証プラットフォームの「サステニア」への実装を通じて近い将来の実用化を目指している。 【画像ギャラリー】メルセデス・ベンツの「サステニア」技術実証コンセプトを画像でチェック!(38枚) バンとカーゴバイクの間で荷物の積み替えを不要にするため、専用コンテナを活用し輸送効率を向上した。またバッテリーEVの課題となっている暖房によるエネルギー消費を半減させたほか、タイヤやブレーキ摩擦などエンジン以外からの粒子状物質の排出にも対処した。 文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/Mercedes-Benz Group AG
実現可能な未来を詰め込んだ「サステニア」
ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツと、そのバン型車部門であるメルセデスベンツ・バンズは2024年4月18日、純電動バン「eスプリンター」をベースとする技術実証プラットフォーム「サステニア」に新しい輸送コンセプトを実装し、公開した。 なお「サステニア」は「サステナブル(持続可能)」と「パイオニア(先駆者)」を組み合わせた単語で、持続可能な物流コンセプトを提示している。いわゆる「概念実証」ではなく、量産化も視野にいれた「実現可能な未来」のコンセプトだ。 メルセデス・ベンツはイノベーションを継続的に評価・最適化し、新コンセプトにより補完する形でサステニアの開発を進めている。 今回は、ゼロ排出のラストマイル輸送というコンセプトを示すため、ベルリンに本社があるカーゴバイクのメーカー、オノモーション(ONOMOTION)社と協力した。同社は電動バンと電動カーゴバイクをシームレスに組み合わせたサプライチェーンを提案している。 ここでeスプリンターはいわば超小型の移動式倉庫(マイクロデポ)として働き、専用コンテナに梱包された荷物を搭載する。バンから電動カーゴバイクにコンテナを移し、玄関先まではカーゴバイクで荷物を配達する。 コンテナの移動は数分で完了するので、eスプリンターに長時間のアイドリングが発生せず、すぐに次の目的地に移動できる。 こうした「並行配送」は、都市部や郊外での集配送を効率化し、様々な産業に適用可能だ。例えば郵便配達、宅配、大きなベーカリーやアパレル業界などのショップ、フードサービスなどが考えられるという。