高校生の娘は「薬剤師」になりたいそうです。「年収」や就職するまでに必要な「学費」の総額はどのくらいでしょうか…?
薬剤師になるには
薬剤師の年収は労働者全体の年収と比較して高い傾向にあり、労働環境も整っているため、薬剤師を目指したいと考える方もいるでしょう。薬剤師になるには資格が必要で、薬剤師免許を取得しなければなりません。薬剤師免許は、薬剤師国家試験に合格して申請すると、厚生労働大臣から与えられます。 薬剤師免許を取得するには、高校卒業後に大学薬学部もしくは薬科大学に入学しなければなりません。大学入学後に6年間必修科目を学ぶことで、薬剤師の国家試験を受験する資格を得ることができます。 令和6年の実績を見ると、薬剤師国家試験の受験者数1万3585名のうち合格者は9296名でした。つまり受験者の68.43%しか合格していないということです。薬剤師になるには受験資格を得るだけでなく、試験対策をしっかり行って試験に挑まないといけない難易度の高い試験といえるでしょう。
薬剤師になるまでに必要な大学の学費
薬剤師になるために必要な大学の学費は、進学先によって異なりますが、私立大学では6年間で約1144万円だといわれています。国立大学であれば6年間で約350万円です。 文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和3年時点で私立大学の場合、全学部の平均授業料は年間93万943円、国立大学で53万6363円です。年間の学費が私立の場合190万円、国立の場合58万円である薬学部・薬科大学は、どちらも金銭的に負担が大きいといえるでしょう。 これらのことから、薬剤師になるまでの費用がかかるため、ハードルが高いと感じる人も少なくないと考えられます。また、薬剤師の資格を取得するまでに要した金額を踏まえると、できるだけ長く仕事を続けた方がよいでしょう。
薬剤師を目指すなら奨学金の利用も検討しましょう
薬剤師を目指すには、金銭的な負担も大きくなります。家庭事情によって進学が難しい方は、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度の利用も検討してみるとよいでしょう。 日本学生支援機構の奨学金制度には、返済が必要な貸与奨学金のほかに、返済が不要な給付奨学金があります。これらを利用するには、世帯収入の基準が設けられていますが、成績だけで判断されず、学びたい意欲もきちんと考慮されます。将来の目標や夢を実現するため、一度検討してみてはいかがでしょうか。 出典 厚生労働省 薬剤師 – 職業詳細 job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 賃金の推移 厚生労働省 第109回薬剤師国家試験の合格発表を行いました 文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」 給付奨学金(返済不要)日本学生支援機構(JASSO) 貸与奨学金(返済必要)日本学生支援機構(JASSO) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部