DeNA、牧秀悟3ランで26年ぶり日本一王手! セ3位から下剋上、2日第6戦ハマスタで決める
「SMBC日本シリーズ2024」は10月31日、第5戦が行われ、セ・リーグ3位のDeNAはパ・リーグ王者のソフトバンクに7-0で大勝。対戦成績を3勝2敗とし、1998年以来26年ぶりの日本一に王手をかけた。牧秀悟内野手(26)が、1-0の四回に日本シリーズ第1号となる左越え3ラン。筒香嘉智外野手(32)は三回に先制の中前適時打を放ち、新旧主将の活躍で3連勝を飾った。11月1日は移動日で試合がなく、同2日の第6戦は横浜スタジアムで行われる。 【写真】試合前に流れたバウアーからのメッセージ われを忘れ、感情を爆発させた。両手で握った拳を振り下ろし、雄たけびを上げる。鬱憤を晴らす一発で王手を手繰り寄せた牧は、頬を紅潮させて振り返った。 「『入ってくれ』と思いながら打った。なかなかヒットを打てていなかったので、チームに貢献できてよかった」 1―0の四回。1番の桑原、2番の梶原が連続内野安打で好機を演出し、迎えた3打席目だった。左腕の前田純に直球で懐を突かれたが、鋭い軸回転で対応。ベイスターズファンが陣取った左翼ポール際のスタンドへ、滞空時間の長い3ランを運んだ。 自身初出場となった日本シリーズは第4戦までで打率・118(17打数2安打)。この日も飛び出した二塁守備での好捕で貢献してきた一方、バットでは思うような結果を出せずにいたが、待望の一発で敵地のみずほペイペイドームでの3連勝に導いた。 快音の背景には同僚の支えがあった。同い年の知野に「慌てているように見える」と指摘され、故障で離脱している伊藤には「呼吸を大事にした方がいい」と連絡をもらった。知らず知らずのうちに打ち急いでいた自身を省み、日本シリーズ第1号に結び付けた。 主将の座を佐野から受け継ぎ、迎えたプロ4年目。理想像の模索を続け、今も「勉強中」だ。クライマックスシリーズを迎えるにあたり手を差し伸べたのが、佐野の前任にあたる筒香だった。 牧は士気を高めるための言葉選びや声掛けのタイミングについて助言を仰いだ。「キャプテンの言葉が大事といわれた。自分にはまだできないものが、筒香さんはできている」。謙虚に学ぶとともに行動に移した。 2連敗を喫した27日の第2戦後。ナインに呼び掛け、緊急ミーティングを開いた。意識したのはタイミングだ。ソフトバンクに2勝4敗で屈した2017年の日本シリーズを経験した桑原らに発言を求め「スイッチが切り替われば」と願った。