「プロジェクト学習」で生徒のやる気を引き出すコツ
第10回 テーマ
「生徒の心に“火”がつく仕掛け」
「どうやって生徒をその気にさせる?」生徒の主体性を引き出す方法
これまで9回に渡って、多様な高校生や高専生と数多のプロジェクトをどんな想いで、どんな経緯で実行してきたかを振り返ってきました。正直、全く同じプロセスを辿ったものは一つもないと思っているのですが、とはいえ講演会やイベント登壇の際に「どうしたらそんなに生徒が活動的になるの?」というハウツーを問うような質問をよく受けます。 質問者の最も聞きたいところに注意しながらお答えするようにしていますが、今までお答えしてきた「生徒の主体性を引き出す方法」を今回「タイミング」「リアリティ」「パーティー」「アクセス」の4つのポイントにまとめてみました。教育現場を目指す方にとって少しでもご参考になれば幸いです。
「タイミング」主体性のキモは“動機付け”にアリ!
地域のイベントや学生向けのキャリアセミナーの開催時期などについて、「一般的な学校でオススメの対象学年や時期はありますか?」とヒアリングを受けることがあります。私は迷わず「高校3年生の春~夏が最高ですね!」とお答えしています。 どんな子でも進学時の学校種や学部選び、就職希望などもある程度固まってきて、自分の「進路」を真剣に考える時期です。一般受験組であればまだまだ勉強あるのみですが、面接や小論文などのスタイルで進路を決めるタイプの子も沢山います。「◯◯になりたい!」と言っていても、よく聞くと原体験が小学校以来でその後の進捗がないケースや、「YouTubeで見たから!」というノスタルジックでバーチャルな理由が意外と多いです。 面接時や書類作成時に、「あなたが選考担当者だとして、目標に向けて自分でリアルに行動をし続けた人とそうでない人ならどっちを合格させたい?」と言いながら、合いそうな情報を提示すると喜び勇んで飛びつくことがあります。進路はわかりやすいケースですが、他の学年のケースであってもプロジェクトなどに取り組むことが「自分の人生を歩む上で避けて通れないもの」「自分を活かせて人生をより楽しくするチャンス」であるという動機付けポイントを話し合いながら見つけていくことが大切です。逆にそこをないがしろにすると「やらされた」活動になるので長く続きません。