電気グルーヴ作品の出荷・配信停止に反対 発起人ら会見(全文1)6万4606人分の署名を提出
署名活動を行った理由
続いてこの活動を行った理由について、私のほうから説明いたします。具体的には以下の3つの考えに基づいています。1つ目は作品を聞く自由、作品を聞く自由をリスナーから奪っているということです。制作された作品は作り手だけではなくて、受け手の財産でもあるはずです。ピエール瀧さんによる出演作品については、映像では東映による『麻雀放浪記2020』がノーカットで公開されています。また、NHKエンタープライズによる『64 ロクヨン』および『あまちゃん』DVDの販売継続などの決定がすでにあります。これらの作品と同様に、音楽でもリスナーが好きな音楽を選ぶ自由を回復してほしいと考えています。 かがり:2つ目は、高額での転売を呼び起こしてしまっているということです。サブスクリプションの問題が解決【されていないこと 00:06:36】その2つがあります。電気グルーヴのCDやDVDは現在、不適切といえる非常に高い金額で転売されている実情にあります。これは文化の在り方としては極めてゆがんだ形だと思っております。また、サブスクリプション、つまり定額配信サービスの利用者は、正当な対価を支払っているにもかかわらず、これまで聞けていた楽曲が突然聴取できなくなってしまいました。電気グルーヴには海外のファンも多いので、彼らは特に不便な状況にさらされております。 永田:今回アメリカ256名、オーストラリア61名、イギリス61名、ドイツ50名という形でさまざまな国の方から署名をいただいております。やはりテクノが人気のあるドイツやイギリスからのリアクションが大きかったというところも、今回の運動の1つの注目点かなというふうに思っています。 かがり:こういった状況に対して、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズによる今回の回収および配信停止といった対応は、こうした問題点の認識が不明確だと考えております。 永田:続いて3つ目が、ピエール瀧さんの回復を妨げる可能性があるということです。2017年にASKAさんに対する過剰な取材、報道を受けてつくられた薬物報道ガイドラインには、排除や厳罰がむしろ逆効果であり、本人を受け入れる場所が用意されていることが回復の手助けになるとの認識が示されております。また、薬物を買うだろうからと当人の収入を断つよりも、確実な回復への道を確保するほうがはるかに効果的だと私たちは考えております。 これらのことから、映像・音源の出荷停止、在庫回収、配信停止は誰のためにもならない安易な方策だと私たちは考えています。今後についてですが、まずはかがりさんからお願いします。