電気グルーヴ作品の出荷・配信停止に反対 発起人ら会見(全文1)6万4606人分の署名を提出
ダースレイダー「なぜそういう社会を生んでしまったのか」
ダースレイダー:はい。ラッパーのダースレイダーと申します。この署名活動に関して、電気グルーヴというグループ自体がこんなものは望んでないんじゃないかという声を聞きますが、僕が知ってる電気グルーヴは当然こんなことは望んでいないと思います。むしろそうではなくて、これは日本社会というものをどうしていくのかっていう選択肢が、今、電気グルーブというある種、特殊なグループがぽんっと提示してくれたチャンスだと思っています。 で、ソニーレコード、ソニーという会社自体が、何かの行動を糾弾するのではなくて、むしろ、なぜソニーが作品の出荷停止をしてしまう、そういった社会、ソニーがそういった判断をしてしまう社会を生んでしまったのかというところを考えなければいけないと思っています。 なぜならば、エリック・クラプトン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、あるいはブルーノ・マーズ、ホイットニー・ヒューストンが、名だたるミュージシャン、今挙げた人たちは全員、薬物系の不祥事といわれるものを起こしているんですけれども、当然のように普通に作品は売っています。では、なぜ彼らの作品が普通に受け入れられる社会と出荷停止をしなければいけない社会っていうのが存在してしまったのか、そこら辺に考えるべきポイントがあると思っています。 先ほど巻上さんも言ったように、乗り越える、助けていくという発想、つまり社会復帰、社会から法を犯して脱落してしまった人が復帰できるようにしていくのか、あるいは、抹殺していなくなってしまって、それでおしまいにするのかという、今、選択肢がテーブルに載っていると。僕たちは残念ながら今、社会から抹殺してしまうほうに加担しているのではないか。大勢が加担している状況で、それに対してソニーのような行動をしてしまうのは致し方ない。 では、そこを変える選択肢をむしろ僕ら、電気グルーヴに限らずTHE JAYWALKでも、CHAGE and ASKAでも、いろいろな音楽のファンがいると思いますが、そういった人たちが提案していって、そして、こういったやり方もあるんじゃないかというのを考える、選択肢を、カードをテーブルに載せるっていうのが今回の署名活動の意義だと思っています。